魔装戦士
12:とある2人の捜し物1
概念などはない。
思考などはない。
そこにはただ魂があるだけ。
失った……あの時全てを……
黒い霧は僕を包み、そして目の前から希望を奪った。僕はなんのためにいるのだろう。
石に選ばれたのは「彼」だった。
僕は選ばれなかった……
悪夢から目を覚ます。
目の前は変わらずに同じ光景が広がるだけ。
「満て引いた……か……」
ここから見る光景はあの頃と全く変わらない。あの頃……?どの頃だ?
少し思考が混乱した。そもそも、僕はいや俺は?違う……私は、なんのためにここに来た。
一発の銃声とともに私の体は黒い蝶となり発砲した者の後ろへと移動する。
「人間……?」
一人の人間だった。銃口から出る煙は彼の前へと流れる。
「フフッ」
おもむろに笑い出すと人間は私の方へと歩みを進める。私との距離が1mに達した時人間は話し始めた。低くそれでも優しい声で……
「やぁ、記憶喪失の黒妖王。」
「私のことか?」
「それ以外に誰がいるのだ?」
人間は再び銃を取り出す。
「なぜ、現代文化の銃を知っている?」
「……??」
私は再び混乱した私はなぜそれが「銃」だと知っている?
「まぁ、いいさ……創造……」
黄土色に鈍く輝く弾丸が手元に現れた。五発分の弾丸を装填し終わると人間は私に一気に距離を詰め、ゼロ距離での発砲をした。
眉間が撃ち抜かれた。
「はぁ、拍子抜けだよ黒妖王……というか、やめてくれないか死んだフリは……」
風穴の空いた眉間に蝶が集まる。眉間から流れる血を吸い、蝶は体と一体化した。
「なぜ、生きている私は……」
「さぁね。さて、帰ろうか、黒妖王さん」
そして、その表情で「僕」は全てを思い出した。
「あぁ、帰ろう……真田……」
黒妖王……柊から生まれた妖精である。とても思いやりのある優しい妖精だそうだ。
俺はそうは思わん。
こいつはただ、戦いを知らないだけ……
争いがどれだけ醜いか知らないだけ……
優しいと無知は絶対に違う……こいつはただ、無知なだけだ。
「それと、黒妖王……」
こちらを真田が振り返る。悲しそうに申し訳なさそうに……
「撃って悪かった。」
「記憶を戻すための荒治療だったのだろう?気にするな。」
ほんとにこいつは無知だ。
「それで話は変わるんだが、あんたの探している「石」ってさ、これのこと?」
宝石展の写真を見せるが黒妖王は首を横に振る。
「そうかい。」
再び歩きだそうとしたら黒妖王が突然止まる……様子を見に行くととあるポスターのはられた掲示板の前で止まっていた。
「へぇ、あんたそんなのに興味あったんだね。」
そのポスターは人気歌手の美舟 葵のポスターだった。
「こいつは、石に選ばれる資格がある。」
「そうかい。んじゃ、思い切ってチケット買っちゃおうか?」
初めて縦に首を振る……
今更ながら説明させてもらうが、俺は真田 満。とある財閥の御曹司だ。ある日、コンビニのバイト帰りに蜘蛛の魔族に襲われそうになった。そこへ異様な黒い蝶の大群が来て俺を助けてくれたのだ。その蝶がこの黒妖王だ。黒妖王は「石」を探してこの町をさまよっているらしい……たまたま俺が襲われそうになっているのを見つけたので助けたんだそうだ。そして、俺はどうやら、その「石」に選ばれる資格があるらしい……どんな石かは知らないがとにかく面白そうなので家に連れて帰って今に至るわけだ。
「さて、行くところ決まったし、黒妖王……んー、なー」
「なんだ?真田。」
「お前さ、なんか名前呼びにくいからさあだ名つけていいか?」
「構わん……お前の好きなように呼べ……」
「んー、柊から生まれた妖精だから……そうだ……お前の名前は……」
僕の記憶が蘇る。
そうだ。僕の名前は……
「「ヒイラギ」」
見事にシンクロした2人は驚く。
「なんで知ってんだよ。まぁ、妖精だからしかないか。」
「いや、何故か出てきた……」
2人はそこから歩き出した。
「さて、家に帰ったら飯にするぞー」
2人の向かう先には大きな豪邸が一軒ある。そこが、真田の住む家だ。
そこへ向かう2人を見て人々は驚きと興奮を隠せないでいた。
To Be Continued……?
思考などはない。
そこにはただ魂があるだけ。
失った……あの時全てを……
黒い霧は僕を包み、そして目の前から希望を奪った。僕はなんのためにいるのだろう。
石に選ばれたのは「彼」だった。
僕は選ばれなかった……
悪夢から目を覚ます。
目の前は変わらずに同じ光景が広がるだけ。
「満て引いた……か……」
ここから見る光景はあの頃と全く変わらない。あの頃……?どの頃だ?
少し思考が混乱した。そもそも、僕はいや俺は?違う……私は、なんのためにここに来た。
一発の銃声とともに私の体は黒い蝶となり発砲した者の後ろへと移動する。
「人間……?」
一人の人間だった。銃口から出る煙は彼の前へと流れる。
「フフッ」
おもむろに笑い出すと人間は私の方へと歩みを進める。私との距離が1mに達した時人間は話し始めた。低くそれでも優しい声で……
「やぁ、記憶喪失の黒妖王。」
「私のことか?」
「それ以外に誰がいるのだ?」
人間は再び銃を取り出す。
「なぜ、現代文化の銃を知っている?」
「……??」
私は再び混乱した私はなぜそれが「銃」だと知っている?
「まぁ、いいさ……創造……」
黄土色に鈍く輝く弾丸が手元に現れた。五発分の弾丸を装填し終わると人間は私に一気に距離を詰め、ゼロ距離での発砲をした。
眉間が撃ち抜かれた。
「はぁ、拍子抜けだよ黒妖王……というか、やめてくれないか死んだフリは……」
風穴の空いた眉間に蝶が集まる。眉間から流れる血を吸い、蝶は体と一体化した。
「なぜ、生きている私は……」
「さぁね。さて、帰ろうか、黒妖王さん」
そして、その表情で「僕」は全てを思い出した。
「あぁ、帰ろう……真田……」
黒妖王……柊から生まれた妖精である。とても思いやりのある優しい妖精だそうだ。
俺はそうは思わん。
こいつはただ、戦いを知らないだけ……
争いがどれだけ醜いか知らないだけ……
優しいと無知は絶対に違う……こいつはただ、無知なだけだ。
「それと、黒妖王……」
こちらを真田が振り返る。悲しそうに申し訳なさそうに……
「撃って悪かった。」
「記憶を戻すための荒治療だったのだろう?気にするな。」
ほんとにこいつは無知だ。
「それで話は変わるんだが、あんたの探している「石」ってさ、これのこと?」
宝石展の写真を見せるが黒妖王は首を横に振る。
「そうかい。」
再び歩きだそうとしたら黒妖王が突然止まる……様子を見に行くととあるポスターのはられた掲示板の前で止まっていた。
「へぇ、あんたそんなのに興味あったんだね。」
そのポスターは人気歌手の美舟 葵のポスターだった。
「こいつは、石に選ばれる資格がある。」
「そうかい。んじゃ、思い切ってチケット買っちゃおうか?」
初めて縦に首を振る……
今更ながら説明させてもらうが、俺は真田 満。とある財閥の御曹司だ。ある日、コンビニのバイト帰りに蜘蛛の魔族に襲われそうになった。そこへ異様な黒い蝶の大群が来て俺を助けてくれたのだ。その蝶がこの黒妖王だ。黒妖王は「石」を探してこの町をさまよっているらしい……たまたま俺が襲われそうになっているのを見つけたので助けたんだそうだ。そして、俺はどうやら、その「石」に選ばれる資格があるらしい……どんな石かは知らないがとにかく面白そうなので家に連れて帰って今に至るわけだ。
「さて、行くところ決まったし、黒妖王……んー、なー」
「なんだ?真田。」
「お前さ、なんか名前呼びにくいからさあだ名つけていいか?」
「構わん……お前の好きなように呼べ……」
「んー、柊から生まれた妖精だから……そうだ……お前の名前は……」
僕の記憶が蘇る。
そうだ。僕の名前は……
「「ヒイラギ」」
見事にシンクロした2人は驚く。
「なんで知ってんだよ。まぁ、妖精だからしかないか。」
「いや、何故か出てきた……」
2人はそこから歩き出した。
「さて、家に帰ったら飯にするぞー」
2人の向かう先には大きな豪邸が一軒ある。そこが、真田の住む家だ。
そこへ向かう2人を見て人々は驚きと興奮を隠せないでいた。
To Be Continued……?
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