魔装戦士

河鹿 虫圭

10:資料室にて……

 古い紙の匂いが僕を包み込む……ここへ来て約数分が経つが未だに「魔装」など言う詠唱、魔法、魔術が載った本はない。3冊の本を棚へ戻し、残り数百冊は少しインチキをすることにした。

「我、時を読み、風を読む……風読かざよみ……」

本のページがパラパラと風に吹かれるようにめくれる……その際に琉聖は全てのページの情報が頭へ入っていた。さらに数分が過ぎた……その数百冊をわずか、数秒で読み終える……魔力と体力を大量に使うのでどっと疲れが溜まる。

「ん〜、やっぱりないな……」

その時、背後から人の気配がした。振り向くや否や琉聖は汗が大量に出てきた。一粒が床へ落ちる……

「遊馬さん……」

その人は琉聖の首へ小さな本を押し付けていた……

「琉聖君……この本は確認してないのかい?確認した方がいいよ……隅々まで……ね?」

その本を琉聖の手へ置くと後ろの本を見て微笑む……

「ちなみに、『魔装』についてはどの資料にも乗ってないからね?気をつけてね?」

「気づいていたんですか?」

「もちろん……ただ、その本には『魔装』を匂わせるものが載っているからね珍しいよ。」

琉聖へ背を向け資料室から出ていく途中、遊馬 冬至あすま とうじは背を向けたまま琉聖へと話しかける。

「そうそう、あの少年だけどね……君ら行動班で面倒見ちゃって良いよー」

「へ?優吾君を……ですか?」

「彼ならなんかやってくれそーだからねー」

一枚の紙を渡されると琉聖は微笑んだ。

「あなたが言うのならば……それでいいですよ。」

紙を握りしめると資料室から慌てて出る。その途中、夢希とぶつかりそうになる。

「おっと……ごめん夢希……大丈夫かい?」

「はい……大丈夫です。」

琉聖の手を見ると夢希は少し嫌そうな顔をする。

「これかい?夢希には少しばかり嫌な思いをさせるだろうけど……ごめんね?」

「大丈夫ですよ。」

仲良く部屋へと戻る二人を見て遊馬 冬至は再び微笑む。

「もちろん、君らの成長にもなるからね。」

踵を返し自分の部屋へと戻ってゆく……その背中は優しさに溢れる。

To Be Continued……

「魔装戦士」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代ドラマ」の人気作品

コメント

コメントを書く