いつまでも,いると思うな家に嫁

文戸玲

若かりし頃



 学生の頃,幸福とは言えない経験があった。
 あまり上品な学校ではなかったため、中学生の頃は良く先輩から声をかけられた。うぶな恋心からくる声掛けならば良いのだが,それは明らかに性的な意味を含む興味本位なものだった。
 声をかけられるということ自体に喜びを感じていた中学校二年生の頃,私は言われるがままに先輩の家へとほいほいついてった。そこで,男と女の関係を求められた。
 怖くなった私はそこで正直に怖いからまた今度と断りを入れると,その瞬間に温和だった相手の態度は豹変した。今にも襲い掛かりそうだった。とっさに,今生理だから部屋を汚したくない。恥ずかしくて嘘をついてごめんなさい。ほんとはしたかった。といった。そうすると,相手は元の柔らかい表情に戻った。
 人は怖いとその時に思った。
 でも,話はそこでは終わらない。

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