いつまでも,いると思うな家に嫁

文戸玲

何十回目の運命の出会い




 次に出会った男はなかなかの男だった。見た瞬間に,「ちょうどいい」と思わされた。丁度いいことほど難しいことはない。よくみんな「普通で」とか「なんとなくでいいよ」とか言っているが,きっとそういう曖昧な言葉は自分たちにとって真ん中を表しているのではなくて割と理想型に近いとk呂に位置しているのではないだろうか。
 この男は,ある意味私の理想に近づいた「ちょうどいい」男だったのかも知れない。完璧主義ではなく,仕事も普通にこなしている。おかしな性癖があるわけでもなく,デートなんかでは「あまり経験が無くて」と言ってしどろもどろだったり不安そうにいしてディナーをすることもあったが,特に不満も無かった。
 この人と生活すると特に気負いも無くそれなりに過ごしていけそうだ。そう感じた。長い付き合いになりそうだった。


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