魔眼使いは冒険者に憧れる

カイン

訓練開始⑥

「大丈夫?」

俺が目を覚ますとそこには笑顔でそう
言うエマさんがいた。

「女神?」

俺の口からそんな言葉が出た。

あっ、やべっ、俺は今なんて言った?

俺がそんなことを思っているのを他所に
どうやらエマさんはしっかり俺の言葉が
聞こえていたようだ。その証拠に

「えっ!女神?そんな、恥ずかしいよー
カイ君、うふふふふ、」

こんな風に壊れてしまっている。
これは話を変えないとな。俺は

「エマさん。俺はどうなったんですか?
ここはどこですか?いろいろわからない
ですが教えてください。」

とエマさんに聞いてみる。エマさんは
ニヤニヤするのを抑えて俺の質問に答えて
くれた。

「うん、カイ君はね、ブラッドゴブリンと
戦い続けて限界が来たから、私が屋敷
まで送ったんだよ。ほら、この部屋
見覚えあるでしょ。」

そう言う、エマさんの声を聞いて俺は
辺りを見回す。たしかにここは俺が最初
の訓練で止まっていた部屋だ。

「うふふ、カイ君、そんなことにも気づ
かないぐらい、疲れているんだね。もう
3日も前のことなのに。」

「えっ、3日!それって、本当ですか?」

「うん、本当だよ、カイ君は3日も
寝てたんだよ。でも、まだ体がダルいん
じゃないかな?あのスキルはそう言う
ものだから。」

「スキル?あっ、もしかして!」

俺はそう思い、自分のステータスを見た。

やっぱりそうだ。俺のスキルに、訓練まで、
なかったスキルが入っていた。いや、
正確にはあったスキルが進化していた。

狂人化

という、スキルだ。狂化の進化で
基本的には狂化と一緒なんだが、いくつか
ちがう点がある。まず、我を忘れることが
なくなり、逆にすべてのものが通常の
何倍も鮮明にしっかりと見えるようになる
特に時間制限がなく、スキルの使用者に
より、使える時間が異なる。また、
レベルが上がるにつれ、時間が伸びる。
ステータスがどれだけ上がるかは正確には
わかっていない。というのも、狂人化は
俺がブラッドゴブリンとの戦いで、
最後になっていた状態で、なにがなんでも
勝ちたい、死にたくないという、感情が、
最大限まで、なったときに出てくる
スキルだ。つまり、火事場のバカ力って
やつだ。なので、そのときの、現状に
よって、発揮される力がかわる。だが、
そのぶん、全てが終わったあとに、
そのぶんの負担が体に一気にくるので、
俺は3日も寝ていたというわけだ。
本当にヤバい場合だと死に至る場合もある
らしい。考えただけで恐ろしい。
だが、このスキルは本当に優秀だ。たしかに
入手方法は恐ろしく難しいが、そのぶん
効果が絶大だ。エマさんが、俺にとらせ
ようとした意味もわかった。次からは
もっと、詳しく言ってほしいが。

「自分のスキル把握できた?」

突然、エマさんが、話しかけてきた、
どうやら、俺は集中し過ぎていた
みたいだ。俺は

「はい。」

と短く答え、笑う、エマさんの顔を見た。


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