しまおのみち、しまおのへんか。

Tea こうちゃ。

六話

完全に怒らせたのがわかった。






せっかく初めて目があったのに、



せっかく初めてしゃべれたのに、



せっかく初めて会話ができたのに、




撃沈した。





普通だとこれくらいでは


なんともないのにかもしれないが


しまおには致命傷だった。





やってはいけないことを


やってしまったことに


少ししてから気付いた。



気付いてもそれを挽回するだけの


知恵もないし


どうすることも出来なかった。










しかし、好きな人とこれだけのことが


できたことに満足していた。



「僕にはこれで十分だ。


 これだけ出来ただけでも充分だ。


 何を不満に思ってる。


 これをいい思い出にして諦めよう。


 中学の時と一緒で。


 遠くから思っていればいい。


 出来るなら想うこともやめよう。」






 僕なんかには無理なんだから

 僕では無理なんだから

 僕じゃ無理なんだから。




この瞬間、








そう決めた。


 
 







  



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