騎士学園の忍びになる者よ

神港 零

始まりの時 Ⅲ


映し出されたのは繁華街。
監視カメラで取られた映像だろう。
そこの中心に大きな生物が動いている。
目を凝らすとそれは巨大なコブラだった。
そのコブラは建物を壊そうとしている。
幸い怪我人はいなさそうだ。
その時、誰かが弓を使ってコブラに攻撃した。
現れたのは俺と年が変わらない学生の集団だった。
その生徒たちは制服の上にマントのような物を羽織っている。
攻撃したのは騎士学園の騎士団だろう。

「見習いは一般人の安全確保を………………騎士シュヴァリエはコブラを討伐………………お前ら気を引き締めろ」

「はいっ!」
 
ある男子学生が指揮をして、戦いが始まった。
後衛にいる学生は弓や銃で攻撃して、近距離にいる学生は剣や槍で斬りこんでいる。
しかし、コブラは硬い皮に覆われて全然びくともしない。
すると、コブラが尻尾で騎士団の人を吹き飛ばした。
幸い騎士団の人は受け身を取って軽い怪我で済んだようだ。

「お前ら下がれ。俺がやる」

「はいっ。副団長」

上條流かみじょうりゅう   二の構え     とどろけ

副団長と呼ばれた男子学生は『上條流   轟』という剣技を使って攻撃した。
『轟』は身体からだ全体の意識を集中して身体能力しんたいのうりょくを高めて、その力を剣に込めて威力をあげる技に見える。
なるほど、こいつが五流派を使える一人か…………。
『轟』で威力が上がった剣でコブラを斬り込んだ。
結果はコブラの硬い皮に貫通した。
だが、完全に斬ることが出来ず、尻尾に巻き付けられて捕らえられてしまった。

「しまっ………………た」

「副団長っ」

騎士団の人は副団長を助けようと攻撃するがびくともしない。
するとコブラは騎士団の人に噛み付こうとした。
しかし、騎士団の人はそれをギリギリ躱した。

「お前らは逃げろ」

「それじゃ副団長は!」

「俺はどうでもいい!」

副団長が怒鳴ったせいか注意が副団長に向けられた。
コブラは副団長に噛み付こうとした。

「副団長っ」

「万事休すか」

この場の人は副団長が殺られると信じて疑わなかっただろう。
だか、その期待を覆す出来事が起きた。

「一条流    四の舞   葉桜はざくら

「煉城流    一の太刀たち    煉霞れんか

その時、二人の女子学生が現れて副団長に巻きついている尻尾を切り裂いた。

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