美女女神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社会でたくさんの嫁を娶りたい!

月風レイ

青年編 第29話 帰宅部活動録①

6月17日(水)

俺、高橋智也は1人トボトボと歩く、鈴木美幸を追いかけ、話しかけた。
その時にある約束を交わした。
水曜日に一緒に帰ろう———と。
この日も一緒に肩を並べて一緒に帰った。


「美幸ちゃんって中学校の頃も帰宅部だったの?」

「うん……そうなんだよね……わたし小学校でも中学校でも部活入ってなかったんだよねー」

「へぇ〜。そうだったんだね! 入ってみたい部活とかはなかったの?」

「う〜ん。それこそ、バスケットボール部とか入ってみたかったかなぁ〜」

「え!? なんで?」

「そりゃあ、バスケットボールやってる人ってかっこいいじゃん。私もあんな風になれならなぁ。っておもったりしてね」

やったぜ。バスケットボール部に入っててよかったよ。

「美幸さんは家に帰ったら何してるの? 暇じゃないの?」

「う〜〜ん。暇だよ。そりゃあね。でも、もう慣れちゃったかな〜。家帰ったらゴロゴロしながらテレビ見てるよ」

「そうなんだね! 意外だよ!」

「そうかな? 私結構ダラダラしてる人だよー」

「そうか? そうは見えないけどね」

「そうなのかなぁ? まぁダラダラするのも好きだしいいんだけどね〜」

俺と美幸さんはそんな会話をしながら、2人並んで帰っていく。
だが、そんな時間も永遠には続いてはくれ
ない。

「あっ。智也くん。わたしの家ここ! だからじゃあね!」

「あ! そうですか。じゃあ、また今度」

「うん。送ってくれてありがとね。じゃあまた次の部活でね〜」


「あっはい! わかりました!」

俺と美幸さんの初めての部活動はこれで終わった。
次の活動はまた来週。


6月24日(水)

俺は5限のチャイムが鳴り響いた後、すぐ教室を出て、ある場所に向かった。
今日は友達の篤樹も仕事かなんかで休んでいる。
俺が向かった場所は2年A組。
今日はバスケ部はないのだが、もう一つ部活がある。

「美幸さーん! いますか?」

「あっ。智也くん。わざわざ教室まで来てくれたの?」

「あっ。その〜迷惑でしたか?」

「ううん。そんな事ないよ〜。準備するからちょっと待っててね〜」

「はい!」

待つこと数分。

「ごめんね。待たせちゃって。じゃあ、行こっか」

「はい! それで今日なんですけど……せっかくですし、どこか回って行きませんか?」

「うーーん……まぁ、今日もどうせ暇だったし、いいよ」

「は、本当ですか!?」

「うん。いいよ。それにどこに連れてってくれるの?」

「うーん……考えてませんでした……まさか了承が頂けるなんて……」

「なんか、すっごく硬くなっちゃってるよ?」

「え!? どこが?」

「口調がない……」

「あ! そっちですか」

やばいやばい、完全に冷静さがなくなっている。こんなチャンス滅多にないだろうな……
頑張んないと!

「じゃあ、よもぎ商店街にでも行きますか?」

「あぁ、あそこね。あそこならなんでもあるもんね」

俺と美幸さんはよもぎ商店街へと向かった。

「うわぁ。いい匂いするね」

「そうですね」

「あそこの唐揚げ美味しんだよ。食べてみる?」

「あ! 是非!」

「じゃあ、ちょっと待っててね」

美幸さんが小走りで『you're chicken』と書かれてお店へと走っていった。
この看板喧嘩売ってんのか?

「お待たせー!」

美幸さんが小走りで戻ってきた。
買ってきたのはひとつだけ。

「あ、お金は?」

「いいよ。気にしないで。食べて」

まぁ、そういうことならここは好意に甘えて、次に何かお返ししよう。

「ありがとうございます」

アムッ。

「どうどう?」

「ん〜〜。美味しいですよ!」

「でしょ。ここのお店あっちゃんも好きなんだよ!」

篤樹も確かにこの店は好きそうだな。
親友ながらそんなことをおもう……

「そうなんですね……」

「うん! そうだよー! 小さい頃からここにきたら必ずここにきてたんだよ!」

ふーん。そうなんだ……

「じゃあ、美幸さん次は僕のオススメの場所に行きましょうか?」

「あっ。うん。よろしくね」

「はい! 任せてください!」

俺がオススメするのはクレープ屋さん。
俺はここのクレープが大好きだ。
それに女の子は甘いものが好きそうだし、美幸さんも喜んでくれるはず。

「あそこのクレープ屋さんに行きましょう!」

「うん。いいよ」

「ここのクレープが美味しいんですよ。少し生地がパリッとしてて」

「そうなんだね」

「じゃあ、今度は僕が買いますね」

「うーん。じゃあ、お言葉に甘えて」

美幸はさんは果物がたくさん入ったもののを俺はチョコバナナを購入した。

「ん〜〜。クレープおいしいね。唐揚げ食べた後で甘いもの食べたかったから、ちょうどよかったよ」

「美幸さんが喜んでくれて、嬉しいです」

「うん! ここならあっちゃんも気にいるだろうなぁ」

確かにアイツ甘いものも好きだったっけ?

「確かにそうですね……」

アツキの話をするときはなんだか美幸さんも楽しそう。

「そういえば、アツキとは幼馴染なんですよね?」

「うん……そうだよ……」

「どうやって知り合ったんですか?」

「うーん。知り合ったのはねぇ。同じ小学校だったからかなぁ。仲良くなったのはあっちゃんが私の家の近くに引っ越してきたからだよ」

「アツキは美幸さんの家の近くに住んでるんですね」

「うん。そうだよ。朝一緒に来るのと家が近いから。そうなっちゃった……みたいな感じなんだけだね〜」

「そんなんですね……」

「でも、今は……なんだかなぁって感じだよ」

「ん!? どういうことですか?」

「ん〜。智也くんに話すことでもないかもしれないんだけど……まぁ、部員さんだし話を聞いてもらおうかな?」

「はい! 是非!」

「あのね—————————」

美幸さんから語られた内容はこうだった。
篤樹が美幸さんの誕生日を忘れていたこと、それと最近学校に来ても用事があるのに帰ってくれなくなったこと。幼馴染は私以外にも他にいて、私があっちゃんの幼馴染でいる必要があるのか、わからなくなってしまったこと。



「———距離を置いたらどうですか?」

「え!? 距離を置く?」

「はい! アツキは多分美幸さんが一緒にいるのが当たり前だと思っているんですよ! それなら美幸さんから距離を置くんです……
そしたら、きっとアツキは気付いてくれるんじゃないですか?」

「うーーん……どうなんだろう……でも、私は何をすればいいの?」

「えぇ〜と、そうですね! まずは朝は一緒に行かない! ってのはどうですか?」

「うぅーん……それはまぁ、やってみようかな……」

「はい! やってみましょう! アツキが来るのは来週の水曜日ですよね!?」

「確かそうだった気がする……」

「じゃあ、その日は1人で学校に行く! で、帰りは僕と一緒に帰る!」

「うん……いいよ」

「で、その帰りにアツキのその日の様子を美幸さんに伝えます」

「あっ。なるほどそういうことなのね」

「はい! 何かしらアツキも思うとこがあるでしょうから」

「うん!」

「じゃあ、今日のところは時間も時間ですし、帰りましょうか」

「そうだね!」

俺は美幸さんを家まで送り、帰宅部の活動を終えるのだった。



          

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