美女女神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社会でたくさんの嫁を娶りたい!

月風レイ

青年編 第22話 図書室にて

キーンコーンカーンコーン。
5限の終了のチャイムが鳴り響く。
そして、親友の智也が俺の机の領空侵犯はして伸びをする。

「アツキ! 今日俺——————」

あぁ。今日はこいつ部活が休みだ……だから俺を遊びに誘おうとする。
そして、俺は用事があるためにこいつの誘いを断る。
ならば最初に……

「ごめん! とも……あれ、今日も用事あるんだわ……また今度な……」

ともはおれに先を読まれたか驚いた顔をしていた。

「えっ!?………まぁ、いいや! そういうことなら俺は帰るぜ!」


「あぁ。悪いな! じゃあまたな! 親友!」

「あぁ、じゃあな!」


智也は荷物を鞄の中に詰め込み、教室を出ていった。

智也が教室を出た少し後、俺はとある場所に向かった。
とある場所とは、学校の裏側の人気のいない場所。
ここでとある儀式をするためだ。
名付けて。チンソギリの儀式だ。

まぁ、あとはみんなの想像に任せるってことで。

俺はチンソギリの儀式を人目につかない場所で行い、氷堂時雨があるであろう図書室へと向かう。

図書室の扉の前に立ち、今日は緊張感もなく、すんなりと扉を開けた。

ガラガラガラ。

と、そこには目的の人物がいた。
水色の髪に水色の瞳。校内で『氷姫』と呼ばれる女子生徒。3年の氷堂時雨だ。

彼女は図書室の自習スペースの机に座って本を読んでいた。
窓際に近いせいか、彼女の姿を太陽が照らし、彼女はどこか神々しい姿だった。
陳腐な言い方をすると、綺麗だ。
窓も換気のためか少し開いていて、彼女の髪が風に靡く。

俺がいや、私が入ってきたことに気付いたのか笑顔を向けて、

「あら! 久しぶりね! また1週間こなかったから嫌われちゃったかと思ったわよ!」

と、嬉しげにそんなことを言った。
ってか、氷堂先輩はこんなところにいていいんですか?

あなたは蔵書庫の番人としてやっていくんじゃなかったの?

何、勝手に図書室にいる可憐な美少女キャラになっちゃってるの?

さっきの姿は完全にそれのやつだったよ?

「今日は氷堂先輩、蔵書庫にいないんですね!」

「あら! そんなことを気にしているの? 私が蔵書庫の番人なんかに見えていたのかしら?」

はい! ごもっともですよ! それにしか見えませんでしたよ!
車庫にひとりで座って、本を読んでいる少女と言ったらベア◯リスでしょ?
そんな感じでしたよ?
まぁ、そんなことは置いといて、

「いえいえ。そんなことないですよ!」

「まぁ、そんなこと思うはずなんて無いわよね!」

「はい!」

「それで、今日に限ってなんで図書室に来てくれたのかしら?」

「あぁ……それは都合上ですね……」

「あら、ごめんなさい! 気づかずにあなたの事情を詮索してしまったわ!」

「えぇ、いいですよ……あ! 氷堂先輩! この前勧めてもらった本を読みましたよ!」

「あら! 読んでくれたのかしら?」

私は先週、先輩と図書室で話をした時に、本の話題になって、氷堂先輩の勧められた本を読んだのだ。
彼女が勧めてくれる本はきっと純文学なのかな? と思っていたのだが、完全に裏切られた……
俺の予想はだいたい外れてしまう……

氷堂先輩から勧められた本はというと……
ホワイトキャッスルさんの『奪え!ファーストキス!』という本だった……
何かの縁があるのだろうか……

俺はこの本をこの1週間で読まずに済んだ……
それはなんでかって、これはもう発売前に読んだことがある……
まぁ、そういうことだ……
これはふゆの本だ……
それにこのタイトル何か悪意でもあるんだろうか……

「えぇ! 読みましたよ! 先輩は純文学がお好きなのかなと思ってたんですけど……」

「あらあら、みんな同じことを言うもんね!」

「はい! 見た目はそんな感じです!」

「まぁ、否定はできないわね……まぁでも、私は純文学よりかはライトノベルの方が実は好きなのよ! しかもラブコメはいいもんね!」

うん! 完全に予想外!
男嫌いの彼女がラブコメ好き……
ありえない……

「でも、先輩って大の男嫌いって聞いたんですが?」

「あぁ、そうよ! 私は男が嫌いよ! でも、作品の中は関係ないわよ!」

「…………そうですか」

うん、めちゃくちゃさっぱりしているし、彼女の中には明確な判断基準があるようだ……
少し羨ましいけど……

「それにね! 作品の中の主人公ってみんな平凡じゃない! そこがいいわよね!」


え!? 平凡がいい? どういうことだ?

「だって、現実世界で平凡なんてあまりもてないじゃない! そこがもはや非現実的でファンタジーな世界なのよね! だから、平凡主人公は許せるわ!」

なんだ? その理論は……

「…………そ、そうですか……」

「そうよ! あ、そういえば2週間後くらいに私の好きな作者の作品か発売されるわ! 買ったらあなたにも是非読ませてあげるわね!」

「えぇ。ありがとうございます!」

私はその後、時雨先輩と話して図書室を後にした。

そして、彼女を【鑑定】してみた結果……

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
【名前】氷堂時雨
【年齢】17
【親愛度】75
【状態】特になし
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
【称号】【氷姫】
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

おぉぉ! これがチンソギリ作戦の効果だ! あと少しで攻略完了だ……先輩……

コメント

コメントを書く

「現代アクション」の人気作品

書籍化作品