先輩と付き合うのは無理ゲーすぎる

マイナスイオン

第7話 恋愛成功計画

 さて、意気込んだものはいいものだがらどうするか、自慢ではないが、生まれてこのかた女子と付き合ったことがない!その上、相手は難航不落な神楽坂舞香、待って、これ詰んだんじゃない?……
  「うんうん唸ってうるさいよお兄ちゃん♡」
  
「仕方ないんだぁぁぁー、渚ー、俺は
  どうしたらいいんダァー」


 やばい、可能性なさすぎて迷走してきた……
 ひとまず俺は今までのいきさつを渚に説明してみた。 あっ、ちなみにこいつは藤倉渚、俺の妹で15歳、中3にして自称恋愛マスター♡とか名乗っている、なんともめんどくさいところありながら可愛いやつだ。


「お兄ちゃんは何もわかってないなぁ、女の子はいつだって男の子に頼りたいものなんだよ!まずは頼れる男になることからはじめてみたら?♡」
  
 なんだ渚よ、お前は俺の恋のキューピッドにでもなってくれるのか?
  
「わかったぞ!渚、俺は頼れるかっこいいところを見せれば神楽坂舞香と付き合えることができるってことだな!よーし、やってやる!」
  
「お兄ちゃん、やる気のとこ申し訳ないんだけど……
正直、今のままだと無理ゲーだよ?
 ちゃんと作戦を練ってからじゃないとまず
 無理、さてまずはどうしよっかなぁ」


渚はそういうとなにやら黙々とノートに書き始めた。
  


「よし!かんせーい!じゃじゃーん!!
 お兄ちゃんみて♡これこそ!!
 お兄ちゃん恋愛成功計画なのだ〜!」


 そ、そんなすごいものが!妹よ、お前まさか
 あの4次元からきた……おっとやめておこう、
  
「なになに、『まずは一生懸命に働くこと!絶対に仕事中の私語は厳禁!』だと、渚!
 こんなことでほんとに先輩を落とせるのか?」
  
「やれやれ、わかってないなぁお兄ちゃんは……
話聞いてるとその私語が原因で告白の勘違いも起きたんでしょ?だったらまずはしっかり働いてちゃんとしたこと見せて先輩に見直してもらったらいいん
でしょ!」


   なるほど……そうか!先輩は今は冷たくなってしまったとはいえ、俺のことを可愛い後輩と言ってくれたんだ、それはそれで嬉しい!でもそれだとただの後輩で終わってしまうということなんだな、そのためにまず頼れるところを見せるってわけだ。わかったよ渚!まずは俺はバイトをしっかりするから始めるよ!


  「渚!ありがとう!俺頑張るよ!」
  
 そういい、俺は気合いを入れるためお風呂へと向かった。
  
「あっ、お兄ちゃん!絶対続き読んでないでしょ〜! まっいっか!付き合えるよう頑張ってねお兄ちゃん♡」


 こうして、俺の妹による『お兄ちゃん恋愛成功計画』の幕が開けるのだった。



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