先輩と付き合うのは無理ゲーすぎる 完結編

マイナスイオン

先輩と付き合うのは無理ゲーすぎる 完結編

「やばい、なんでこんな日に限って寝坊するんだよー!!」


藤倉翼(17歳)今すごく焦っています。
見たらわかるって?なぜ焦っているのか?


 それは今日が神楽坂先輩との記念すべきデートの日にあろうことか寝坊したからだ。
でも1つ言い訳をさせてほしい。昨日、楽しみすぎて眠れなかったということを!


 あの日、いわゆる颯汰さんと神楽坂先輩が
決別し、俺が振られた日。俺には1つのチャンスが与えられた。
そう、頼れる男になってまた告白してきてというチャンスが、、


 だから俺はそのチャンスを無駄にしないべく、
1週間後の今日、先輩をデートに誘った。
 答えはOK、張り切っていたのだが、俺としたことが空回りの寝坊。待ち合わせの時間から逆算しても 
ギリギリ着くか着かないかというところである。


とにかく急がないと……
俺は頼りになる男になるのだから!


もう一度決意を固め、家を出た。


「とにかく全力疾走だ~!」


「やれやれ、お兄ちゃんはなんでいつも張り切ると
こうなのかなぁ。渚はもう頭がいたいよ~」




am10:30  
 「待ち合わせは10時半って言ってたのに藤倉一体何してるのよ」
……
pm10:45


待ち合わせの駅にやっと着いた、実に15分の遅刻、、神楽坂先輩はどこだ、、?まさか帰ってはいないよな、、?時計台の横あたりが待ち合わせのはずなんだが、、


……見つけた、彼女は時計をチラチラ見ながら俺のことを待っていてくれた。


「神楽坂先輩~、本当にごめんなさい!今日が楽しみすぎて寝坊しちゃって、、本当にすみません!!」


先輩はやれやれという顔をしながら、


「遅れそうな時は連絡するのが大人の常識よ?楽しみにしてくれてたってことに免じて許してあげるから
ちゃんとエスコートしてね?」


「はい!好きになってもらえるように頑張ります!」


「そう言うことは大声で言わないで……
なんだか弄んでるみたいで嫌じゃない」


俺のせいで15分遅れではあるが、神楽坂先輩との1日が今始まった。


俺たちがきたのは遊園地。ネズミたちが
いっぱいいる、いわゆる夢の国をモチーフに
して最近できた遊園地だ。


「ねえ、先輩どれから乗ります~?」


「ねえ、藤倉。せっかく2人で来てるんだから先輩
じゃなくて名前で呼んでほしいな」


っ!神楽坂先輩、急にデレるのは反則です。
まだ付き合えてないけど藤倉翼胸がいっぱいです……私も甘えたいって言うのはこう言う意味だったのか!


「ま、舞香さんでいいですしゅっかっ!ごほんっ!
舞香さんで良いですか?まずはあのアトラクションから乗りましょう!」


盛大に噛んでしまった。先輩も笑いを隠すことで必死なようで、、笑ってもらえたのは嬉しいけど全然こんなの後輩じゃん。舌も痛いし、、


おれが選んだのはジェットコースターのようなもの、いわゆる絶叫系だ。


「藤倉、絶叫系大丈夫なのね。私も遠慮せずどんどん乗ろうっと!」


どうやら、先輩、いや舞香さんは絶叫系が大好きらしく俺を引っ張ってそのまま列へと向かった。


 俺あんまり得意じゃないけど1、2回ならきっと大丈夫だよな?


ガタガタガタ……ドーンッ!


「ぎゃぁー死ぬーー!!!」


「きゃー!落ちる~♪」




一言で言おう。俺絶叫系ダメだ、、
デートなどしたことない俺は遊園地自体、
中学の修学旅行以来だ。それにあの時も得意ではなかったが、成長したら行けると信じていた。うん、得意どころか死にそうだ、、


「ねえねえ、藤倉~もう一回乗るよ~」


舞香さん、まじですか……今のでだいぶ、、
いやこの笑顔に変えられるものはない。


「何回でもばっちこいってやつですよ!
行きましょう!」


……
「ぎゃあー!!死ぬー!」


結局俺はこの同じアトラクションに4回乗らされた。


「めっちゃ楽しかったね~!ってか藤倉顔色悪いけど大丈夫?」


「久しぶりの遊園地で少しのぼせてしまったみたい
です……」


「少しベンチで休憩しようっか!」


普通に情けない……渚(妹)と話した中で絶叫系を乗って男らしいところを見せるはずだったのに、、母よ。どうして乗り物に強く産んでくれなかったんだ!


pm14:00


「舞香さん、もう大丈夫です!そろそろレストランも空いてくる頃だしお昼食べましょう」


ガヤガヤ……


あれ?全然空いてない、、


「藤倉ここ初めてって言ってたっけ?ここの
レストラン、味が美味しいのが有名で遊園地目的以外の人も食べにくるからどの時間も基本混んでるのよ」


……そ、そんなのアリですか?リサーチしたつもりだったが、どうやらここでも俺は失敗してしまった
らしい。


「そんなに落ち込まないの!待ち時間の間は次に乗るアトラクションとか一緒に話せばいいじゃない?」


「はい!次はこれとかどうです?」


「そうね~、藤倉最後に絶叫まだいける?それまではここら辺のアトラクションを順番に乗ってみる?」


…………


45分ほどの待ち時間があり、待った甲斐もあり、出てくるものは海鮮ベースのどれもとても美味しいものだった。


「ここの料理最高でしたね~」


「これだけ人が待つのもわかる気がするでしよ!
出た後はこのお化け屋敷に行きましょうか」


「これだけ食べた後すぐ激しいのはしんどいです
もんね。あっ、ここは僕が出します!」


そう言って財布からお金を出そうとしたが、、
あれ?そもそもの財布が、、ない?
チケットを買うまでは持っていたはずなのに....
これじゃ払うことができないじゃないか……


「舞香さん、すみません。僕がご馳走するつもりだったのに逆にご馳走になっちゃって……」


「遊びに出かけてるとはいえ、後輩に出してもらうのは申し訳ないなぁ~って思ってたか大丈夫よ、それより財布探さなくて大丈夫?」


「これだけの人混みですし多分もう誰かに盗られてますよ、、それにお金以外は入れてないので大丈夫
です……」


「藤倉がそう言うなら私はそれ以上は言わないわ。
今日楽しみにしてたって言ってくれたんだから落ち込んでないで楽しも?」


「っ!はい、お化け屋敷に行きましょう!」


「お化け屋敷系って私苦手なのよね....」


だから俺がレストランで勧めた時にあまり最初乗り気じゃなかったのか。ミスチョイス、、


それにしても舞香さん、完全に俺と腕組みをしている感じなんだが、まだ彼氏でもないのにいいのだろうか??きっと、怖さでそれどころではないのだろうけど……


「きゃー!わっ、まじ無理……ふ、藤倉~!」


「これ作り物ですから、怖がりすぎですって~」


「そう言う問題じゃないのよ。心霊番組ってヤラセっぽいけど怖いものは怖いでしょ?それと今の私の気分は一緒よ」


あっ、出口に出るとそう言うって腕組みを解消されてしまった。 落ち込んでばかりではなく頑張らねば!


pm18:30


 その後も舞香さんと俺は色々なアトラクションに乗ったのだが、俺は頼りになるってところを見せることができなかった……
やっぱり舞香さん、先輩の彼氏に俺はなれないのかな?


「ねえ藤倉。最後に観覧車乗らない?この時間帯に乗るとパレードが上から見えて凄く綺麗なのよ!」


「いいですね!行きましょう!」


 観覧車は2人を乗せてゆっくりと上へ向かって動き出す。


「舞香さん、今日本当に楽しかったです」


せっかく落ち着いた場所で2人きりになれたのだから先にお礼を言いたかった。例え、遊ぶのがこれっきりになってしまったとしても本当に今日は楽しかったのだから、、


「藤倉、本当で今日楽しんでた??ずっと浮かない
表情してたし、私なんか気に触るようなことした
かな?」


舞香さんは俺にそう問いかける。俺は今日本当に楽しかったのだ。でも、好きな人の前でいいところを見せて好きになってもらいたかった。今日の俺は朝から
失敗ばかり。
どうしてこう上手くいかないのだろう……


それでも今日は本当に楽しかった。そこは誤解して欲しくない。だから俺は正直な気持ちを舞香さんに
話した。


「舞香さん、やっぱり僕頼りになる後輩には
まだなれそうにないみたいです。今日だって、色々頑張ろうとしたんですけど....どうも空回りしちゃって....それがずっと悔しくて気になってたんです。惚れさせるとか生意気なこと言ったのに……
本当にすみません」


こんなことを言う男には幻滅だろう。颯汰さんにはっきり言った時は無我夢中だったもんな。それを俺が自分はできると勘違いしてしまったばっかりに……


「そう、言いたいことはそれだけ?」


そう告げた彼女は、冷たく....はなかった。


「藤倉、そんなに気負いすぎなくていいのに、そもそも好きでもない相手と遊園地になんかいかないし!確かに頼れる人がいいって言ったけどそんな無理しないでほしいな」


「それにね、私は1人の女の子として見てくれてそれで私が甘えれる、それが嬉しいの。そんな奢るのが~とか引っ張る~とかにこだわらなくてもいいよ!」


「じゃ、じゃあ、先輩も今日のデート楽しんでくれましたか?」


「もちろん好きな人と一緒にいれるデートは楽しいに決まってるじゃない」


今、舞香さん好きって?


自分の発言に気づいたらしく舞香さんは林檎のように真っ赤になっていた。


「もうここまで言っちゃったならしょうがないかっ!藤倉は頼りにされる彼氏になりたい?」


「はい!そう言う彼氏になりたいし、絶対そうなります!」


「そっか!じゃあ今のままじゃダメだね!
待ち合わせに遅れるわ、財布無くすわ、歩くの早いわ、ぜーんぶ言いなり、間違いなく頼りにはならないわね」


俺、今すごく責められてるやつだ……舞香さんさっきそれでも楽しかったって言ってませんでしたか?


「だから~私がしっかり頼れる男になるよう指導するから、私と付き合ってください」


「えっ?」


「返事は!!」


「は、はい!!」


思わず返事をしてしまったが、これは俺と舞香さんが両想いで付き合えると言うこと、、?


「俺たちカップルになったってことですか?」


「まだまだダメダメな彼氏だけどあの時、
私のこと守ってくれたヒーローなんだから
これからも私のことしっかり守ってね?」


「はい!僕も舞香さんのこと大好きです!」


「ふふっ、ほら下を見て。上からのパレードもなかなかいいでしょ?」


その言葉通り、上からみるパレードはとても綺麗で、そして俺たちのことを祝福してくれているようだった。ちょこっと勇気出してみるか!


「ねえ、舞香さん」


「ん?どうしたの?ふじ……」


言葉に反応して喋ろうとする彼女に、
俺はそっと口づけをした。


「っ!!!!も、もう後輩のくせに生意気なんだから~!これから覚悟しなさいよ翼!」


―――――――――――――――――――――


俺はまだまだダメダメ彼氏だ。でもちょっとずつ、理想の彼氏に進んでいけたらいいって舞香さんは言ってくれた。


先輩と付き合うのは無理ゲーすぎると思ってたけど、現実世界に無理ゲーなんてものはないのかもしれない。だから、俺は神楽坂舞香を幸せにできるよう頑張るだけだ。


「ちゃんと待ち合わせ10分前に来れたじゃない。それで今日はどこに行くの翼?」


こうして一歩ずつ進んでいけばいい。


「先輩と付き合うのは無理ゲーすぎる 完結編」
                                                     

                                                    fin



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