高校時代のアイドル的存在がニートになって面影がなくなってしまった件

マイナスイオン

テニスコートと久しぶりの実家

テニスコートに着くや私はすぐにこうちゃんを探した。


「あーこうちゃんだー!めっちゃ若い~!
それにカッコいい~!」


今よりも日に焼けてちょっと黒い顔に細いながら今よりも筋肉のついた体。今の私の精神は20歳なわけだからこうちゃんの方が年下……


きっと今の体は....うん、もう食べちゃいたい!


「ねえきょうちゃーん、りりちゃんヨダレ垂らしながらコート見てるよー、、」


「きっと何かに取り憑かれたんだっ……ん?
凛乃花さっきから一点ばかり見てるぞ」


「言われてよく見てみれば本当だぁ!!りりちゃん神谷先輩のこと好きなの~?」


「もちろん!こうちゃんのこと大好きだよ!」


あっ、しまった……ついいつもの感覚で言っちゃったけど私たちまだ付き合ってもいないし、2人にそんなこと言ったら、、


「ついに凛乃花にも好きな人がねぇ」


「私たちが全面サポートしてあげるよ~」


あ、案外2人ともノリ気?私がこうちゃんに
告白した時も2人が手助けしてくれたっけ。
またあの時みたいに告白するのかなぁ~
もう~恥ずかしいよ~!


「ねえ、なんか今日のりりちゃん変だよ~」


「考え込んだと思ったらニヤニヤして、今度は照れてみたり……ただの変態だな」


どんどん2人からの評価が落ちて言ってる気がする。今の関係に今後関わったらいやだし、私もここら辺で落ち着きを取り戻そう、、


「テニス見てたら運動したくなったな~」


「せっかく運動神経いいんだから何か部活入ればいいじゃな~い?」


「なんやかんや、2人と過ごすのが楽しいからいいんだよ」


きょうちゃん、ちゃんと前から2人のこと考えてくれてたんだね。そうだ!


「あ、でも~告白は5月って決めてるからそれまでは何もしないよ~」


「そこまでは干渉しないから安心して~」


「凛乃花がちゃんと伝えれるのが私らの役目だからな!」


雪ちゃん、きょうちゃんありがとう。
でもこれってどうなれば元に帰れるんだろ?
まっ、今はこの世界を楽しもうかな~!


「そうと決まればカフェで作戦会議だー!」


「さんせ~い、もちろんりりちゃんもだよ?」


「うん、いこいこ~!!」


……


「なあ、今あそこに女子3人組が来てなかったか?」


「なんで三大アイドルたるものがここに?」


「悠人が言ってた通り、本当可愛いなぁ....
でも、なんでテニスコートに来たんだ?」


「最後の大会に向けて練習だー!」


 「はい!!」


……


「ねえねえ、私はともかく2人は好きな人とかいないの~?」


「好きな人かぁ~あまり考えたことないよ~男子と付き合わなくても楽しいし~」


「世話を見てやりたいと思う男子がいないのよねー!まっ、べつに欲しいと思わんし?欲しくなってから考えるよ!」


 高校時代の雪ちゃんもきょうちゃんも今と同じこと言ってるなぁ……
浮いた噂も聞いたことないし、この3人の中で交際経験があるの私だけだもんなぁ。
私もこうちゃんが初めての彼氏だけどね!


「ここのケーキ美味しいね~」


「ってりりちゃんもう3個目だよ~?」


「好きな人ができて張り切ってってやつだよ、
きっと!」


あ、しまった....ついつい体が細いことをいいことに……流石にこの頃の私を太らせるわけにはいかないし告白もしないといけないから我慢しよう、、


「ねえ、この後どうする~?」


「ま、作戦会議!とか言ってたけどお互いまだ知らないわけだし変にすることもないか!」


「なら2人とも、カラオケでも行かない?」


カラオケか~外に出るの自体が久しぶりだったし久しぶりにいいかも!!


「よし!そうと決まればレッツゴーだ!」


………


私たちはたっぷり3時間歌い尽くした。最近流行ってる歌がなかったのは残念だったけど……
って当然か!高校時代の時なんだし!


「今日は色々考えてくれてありがとう~
じゃあ、また明日~」


「うん、気をつけてね~」


「成功を祈っているからなー!」




なんか懐かしいこの感じ、私は久しぶりの実家にドキドキしながらピンポンを押した。


ピーンポーン!


「はーい!どちら様ですかー?」


「お母さーん、私だよー!」


「ピンポン鳴らしてないで早く入って来なさい!」


あっ、間違えた……今の感覚でつい鳴らしちゃったけど今ここから通ってるんだった……


懐かしいこの感じ、お母さんが作っている夕食の匂い、お父さんは、、まだ帰ってないのかな?でもこの家中が私を包んでくれているようですごく温かい。


今度ちゃんと実家にまた顔だそう。
密かに私はそう心に決めた。


「お母さん、仕事終わったの遅くてご飯できるの遅くなるから先にお風呂入っておいて~!」


「は~い!」


私はそう返事をし、お風呂へ向かった。


「すごい、保湿クリームや化粧水がびっしり!
あの頃の私頑張ってたもんな~」


思わず感嘆の声が出てしまっていた。
あの頃は肌が白くて羨ましいとか、肌がすべすべって言われるのが嬉しくてお小遣いのほとんどを当ててたもんなぁ……


「うわっ、改めて見ると本当に細い……」


最近自分の裸をダイエットの一環としてみるようにしているけど本当比べ物にならない。
私こんなに細かったんだなぁ~でも、これが最終目標ってことはわかったし頑張るしかないよね!


諦めそうだった心に少しやる気の火が灯ったような気がした。


あれ?これってそんなに伸びてないけど剃ったほうがいいのかな?ここ剃りにくいなー……


流石に今の私みたいに未処理にするわけもいかず、私は久しぶりに奮闘していた。この努力、
ちゃんと忘れず持ち帰ろう。


お風呂から上がった私は肌の保湿クリーム、化粧水を使い、リビングへと戻った。


「うわぁー懐かしい」


「お風呂に長く入りすぎて頭でもおかしくなったの?」


「まあ、そういうな母さん。凛乃花もお腹すいて待ってたんだろう」


お母さんの料理は美味しくて、そしてなによりも懐かしかった。


「美味しかった~ご馳走さまでした~」


「いつもそれくらいの感謝があったらいいのにねぇ」


「たまにだからこそ嬉しくなるもんだよ」


うん、この2人のやりとりも凄くいい。
部屋に戻るのが惜しくなったけど、考えたいこともあったし部屋に戻ることにした。


うーん、どうしたらこうちゃんのいる今に戻れるのだろう?これっていわゆるタイムスリップってやつだよね?現実に起こるものなんだね~
いやいや、感心してちゃダメじゃない。


「私どうやってこっちに来たんだろー?」


確か、こうちゃんの飲み会で帰ってこないことに落ち込んで、体重も減ってなくて、
寝たんだったよね?


「よーし、では寝るとしてみましょう。お母さん、お父さん、おやすみなさい」


その場にいない2人に久しぶりに会えたお礼を込めて、そう呟き私は眠りについたのだった。




…………






「朝だー!こうちゃんがいない?まだ戻れてないのかな?」


いや、ここは20歳である自分の姿だ。私はすぐにわかった。たった1つ簡単なこと。




……太った体に戻っていたから。でも、初めて私は太った体を見て安心したのだった。




あの頃の自分に誇れる私にならないとね!
ってかまさか、こうちゃん朝帰り??

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