高校時代のアイドル的存在がニートになって面影がなくなってしまった件

マイナスイオン

ダイエット

既読はついているのに返事はない。それにいつもならお疲れ様とか言ってくれるはずなのにそれすらもない。これは一種の事件だな......


杏さんの書類をなんとか2時間の残業でやりきった俺は凛乃花から返信がないのを不自然に感じていた。とりあえず家に帰ろう、、


俺は足早に会社を出て、自宅へと向かった。


「ただいま~、凛乃花どうかしたかー?」


ん?なんだこの汗臭い匂いは?
玄関を開けた瞬間、汗臭のようなもわーっとした匂いが俺の鼻全体に広がった。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


リビングに進んで行くと、そこには、家にあるはずのないランニングマシンと汗だくで顔が真っ赤な凛乃花が必死に走っていた。


「お、おい凛乃花これどうしたんだ?」


「はぁ、はぁ、あっ、こうちゃんお帰りなさい。今日貯金から総額7万使っちゃったの。2人のお金なのに
勝手に使ってまずはごめんなさい……」


このランニングマシンそんなにしたのか?
それになんでいきなりこれを??


「7万も使ってこれ買ったのか?」


「ううん、違うの。これは4万、残りの3万は
スーツを買ったからなの」


これは憶測でしかないが、スーツが入らなかったから焦ってランニングマシンまで買ったと見て間違いないだろう。にしてもなぁ……


「それにしてもいきなりランニングマシンはやりすぎじゃないのか?めっちゃ場所取ってるし!」


「スーツが破れちゃったのもあるけどそうじゃなくてちゃんと理由があるの……」


そういい、凛乃花は今日あったこと、自分が太っていることを自覚したこと、ダイエットを始めようと思ったことを話してくれた。


「私こうちゃんがいてくれる安心感から女の子であろうとする気持ち忘れてたの、女の子らしくしてなくても大好きって言ってくれるし一緒にいれるし別にいいかなって」


俺自身も一緒にいる時間が長くなればなるほど凛乃花のトータルが好きに変わっていた気がする。一体それがどう関係するんだ?


「でも、久しぶりに外出たら衝撃だった。高校時代周りの人がちやほやしてくれてたから気づかなかったけど魅力的な女の子が周りにはたくさんいるの。今の私には到底勝てるはずもない女の子たちが……」


「勝ち負けの問題じゃないし、俺が好きならそれでいいって問題じゃないのか?」


「こうちゃんがいてくれるのが一番いいことだよ。でも私今日鏡で自分の裸見てびっくりしちゃった。まじまじと見ることが最近なかったけど今の私は本当にデブ。仕事もしてないし、、そんな自分が許せないの」


 凛乃花は自分の顔に自信がないって言ってたのは本心だと思うが、きっと周りの反応は可愛いとか美人と声をかけられることが多かったはずだ。そんな自分が今は自堕落者。
その現実を突きつけられたことが彼女に取って凄くショックだったのだろう。


「このままじゃ、こうちゃんが言ってたようにどんどんダメになる。だから私は明日の面接受かってダイエットして、身だしなみも整えてちゃんとした女の子になるよ!」


「だから、ずっと私のそばに居て……!」


元々負い目があった部分に精神的なショックが重なり、こうなってしまった。いきなり俺が凛乃花の側からいなくなるなんてないのに、、
それだけ彼女も追い込まれているのだろう。


俺はそっと彼女を抱きしめた。


「凛乃花、俺が急に居なくなるなんてないからな!凛乃花が決めたことなら俺は応援するのみだ!一緒に頑張ろうな」


「グスッ....これからも好きでいてくれる?」


「もちろん!高校の時のお前も可愛かったけど今は今で十分可愛いし、それに俺のこと一番わかってくれてるの凛乃花だからな!」


「こうちゃん....ありがとう!まずは60を切れるように頑張るね!よーし走るぞー」


「凛乃花、運動するのはいいことだが、換気しないと中の空気がえらいことになるぞ……」


「太っていると汗もたくさん出るし臭うの~自分でもわかってて恥ずかしいんだから言わないでよ~」


そう思うのなら窓を開けてくれ。
今の俺にできることは晩御飯のカロリー計算とやる気の向上ってとこか。


「あっ、晩御飯は冷蔵庫にあるよ!私はサラダもう食べたから全部食べていいよ~」


冷蔵庫の中には豆腐が一丁と、麻婆豆腐の材料が残っていた。凛乃花は何ももう食べないらしいし、俺が食べたいものを作ることにしよう。


ちなみに元々は一人暮らしをするつもりだったしご飯も交代制のため俺の料理の腕も悪くはないはずだ。


「はぁ、もうしんどいよぉ~でも痩せなきゃいけないんだ~!」




 こんなオーバーペースでやっていたらいつまで持つかわからないな。まあでも、本人がやる気を持ってやっているなら俺は応援してやろう。


 この日から凛乃花の本格的なダイエットが
始まったのだった。

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