高校時代のアイドル的存在がニートになって面影がなくなってしまった件

マイナスイオン

喧嘩の先には

「あー帰りたくねぇ……」


つい本音が漏れる。 杏さんに話を聞いてもらい、もう一度話し合うと決めたのはいい。
でもなんて切り出そう?そもそもいつもレインにくる凛乃花からのメッセージもない。きっとかなり怒っている、、普段怒らない分、怖いんだよなぁ、、


「なんだ、神谷。帰りたくないなら一緒に、
よーる遅くまで残業でもするかー?」


「あ、杏さん....いや大丈夫です。今日はしっかり
働きましたので帰らせていただきます....」


「そうか、それは残念だ。この書類押し付けようと
思ってたんだが……」


いや、この人恐ろしいよ。あなたが俺に頼んだあの書類で俺の8時間は無くなってしまったよ。締め切り
今日だとかいうし……


よし、俺はもう余計な仕事を頼まれないうちに
帰ろう。急いで会社をでて自宅へと向かった。




……向かったまではいい。そして今玄関。
いや、入る勇気がね、、あまり喧嘩しないから
どう入っていいのかわからない。
と、とりあえずただいまと言ってみようか。
いや、今朝はごめんなさいの方がいいか?
もういいや!とにかく入ろう!


「た、ただいま〜」


「おかえりなさい!」


あー、、ごめんなさい。俺が悪かったです!
言い過ぎました!ん?えっ?


そこには笑顔で凛乃花が立っていた。


「なんでそんな怖がってるの〜?」


「いや、朝喧嘩してそのままだったし、レインに
連絡こないからあーやばいなぁって」


「うーん、確かに勝手に色々言われて傷ついた
けど〜、最後にはきっと理解してくれると
思ってたから!」


あー、女神だ。いや、本当に涙出そう。ここまで言ってもらえたなら杏さんに言われたこと含め全て
話そう。
 

俺は今日指摘されたこと、言われたことを全て凛乃花に話した。もちろん、デブニートとかの部分は
除いてだが……


「へ〜、その人なかなか厳しいことこうちゃんに
言ったんだねぇ」


「そうなんだよなぁ〜、見下してるとか俺全然そんなつもりもないのになぁ〜」


「でも、他の人が感じてることって案外自分では気づいてないこと多いよ?だから先輩がそう感じたのかもしれないし、、」


「うーん、でもそれがそうなら俺最低だなぁ」


「誰が偉くて誰が偉くないなんてことはないし、みんながみんな頑張ってる。綺麗事のようだけどきっと
そうだって思った方がいいよね!」


 確かに1つだけ、働かない凛乃花を少し下に見ていた気がするのは事実だ。こんなにも俺のことを考えてくれているのに、、


本当、いつの時代も俺って馬鹿だな。社会に出て成長したと思ってたのはただの思い上がりだったのかも
しれない……


「そういうことで暗い話は終わりなのです。私も
ちゃんと頑張るから1番近くで応援してね?」


そう言って笑いかける凛乃花。絶対に俺は
この笑顔を守ろう。
俺はそっと凛乃花を抱きしめた。


「こ、こうちゃん。不意打ちはせこいよ〜」


「この前の仕返し兼今回のお返し。
凛乃花、ありがとうな!」


2人の社会勉強のような喧嘩は終わった。
しばらくはそっと応援しよう。俺は心の中でそう決意した。


「それはそうとこうちゃん!ついにですね、
雪ちゃんから〜連絡が来たのです。」


「おー!誕生会開いてくれるのか?
って、なんでそんな変な喋り方?」


「まあそこは置いといて〜、また来週みんなで集まろうって!会場はここだよ〜」


「今回は誕生会(仮)で久しぶりの集まりってわけ
だな」


「そうだね〜!それでもう理沙ちゃん以外には連絡取れたみたいだからこうちゃんから理沙ちゃんに連絡してもらっていい〜?」


そう言えば、最近理沙とも話してないし電話もいい機会かもな。


「わかった、俺から連絡しとくよ。もうとっくに大学も終わってるから、家にいるだろうし」


「なら私が料理の準備しておくね〜」


同棲2年目にはなるが、未だにこの新婚のような会話、うん、すごくいい。
おっと、話が逸れた。理沙に連絡しなくては、、


プルルルル……


「もしもし、お兄さん?私今すごく面白い本読んでて、忙しいんだけど?」


「まあそういうなって、なんか久しぶりだな理沙、
元気にしてるか?」


「そういうのいいから!気になるならたまには家に帰って来ればいいじゃない。よくそんなずっと一緒に
いて飽きないね」


「なんかめっちゃ機嫌悪くない?お前も好きな人が
できたらわかるさ」


「好きな人なら....ずっと変わらずいるのに....」


「えっ?なんか言ったか?」


「な、何も言ってない!それでなんで連絡して
来たの?安否確認?」


「どこぞの企業の訓練かよ。いや、来週あのメンバーで俺の家に集まろうってなっててな!理沙も、
もちろんくるよな?」


「うん!来週なら大丈夫。久しぶりにみんなに会えるんだね!」


「やっぱり、お前も楽しみだよな。よかった!
もう来ないとか言われたらガチでへこむとこ
だったよ」


「言うわけないでしょ、久しぶりにお兄さんにも
会えるし、、用はそれだけでしょ?私本読むから
切るね!」


「あっ、いや……」


ツーツーツー……


いや、切るの早いだろ、また今度実家にも帰るって
言おうと思ったのに、、まあまた来週に会ったときにでも伝えよう。


「理沙ちゃん来れるって?」


「ああ、来れるってさ。これで全員集合ってわけだ。てか、このカレー美味いなぁ〜!」


「隠し味にブイヨン入れて見たの。こうちゃんのその反応だと入れて大正解だったみたい〜」


……


本当に俺は幸せだ……家に帰って、好きな人が待っていて一緒にご飯を食べる。喧嘩をすることもある
けど、それを2人で解決する。


いつまでもこの時間が続きますように……




今日の出来事ですっかり忘れていたことが1つ、
そう、忘れた頃に俺はまた不思議な夢のようなものを見るのだった……







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