高校時代のアイドル的存在がニートになって面影がなくなってしまった件

マイナスイオン

高校時代の元アイドル 神童凛乃花





「神谷先輩に一目惚れしました!好きです!
 私と........つ、付き合ってください」


 ……あれ?目の前に美少女、この美少女どこかで
見たような、凛乃花も高校時代はこうだったなぁ、
白くて細くて小顔で・・・・


——————————————




……「こーちゃん~朝だよ!起きて~」


 夢で告白をしてきた声と同じ声が耳元で聞こえる。あ~、なんだ天使か~、、あれ?でも目の前には、、
……白くて太くて二重アゴ??




「もう~!いつまでも起きないと叩くよ~」


 バシッ!バシッ!




「ぐへっ、お、おい!今のお前の力で俺を叩いて
起こすとか殺す気か~!」




「そーやってすぐ人のこと馬鹿にするんだから~
ほら!まず朝起きたらおはようだよ?」


 そう言って笑う彼女、うん今日も可愛い。


「おう、おはよう!朝ごはんはー?」


「今日は私の番だからばっちし作ったよ!」


 そう言って出てきたのは、ご飯に味噌汁に鮭、
うん実にいい朝ごはん、あれ凛乃花のがない?


 いや……ありました。なんでそもそもご飯が茶碗じゃなくてどんぶりなんだ?そして全体的にも俺の2倍の量はあるんじゃないのか??


「凛乃花~これ1人で食べるのかー?」


「もっちろーん、1日家で過ごすにはまずは朝ごはん!そしてエネルギーが必要だからねー」


きっと、そのエネルギーは全部....いや、口に出すのはやめておこう。


「凛乃花ー、家で過ごすのはいいがちゃんと仕事先
見つけろよー?」


「わかってるって!ほんとこーちゃん心配性なんだ
から~自分に合う仕事さえ見つかればちゃんと
働くんだから~」


 うん、その合う仕事が見つかるのは何年後になるのかな?今までも何回か面接を受けていた。その度に受かって帰ってくるまではいい。
 しかしなぜか2日後には家にいる。なぜだか?
その理由はただ1つ、


『わたしには合わないから!』


 きっと、同棲をし始め、浮かれて可愛い彼女を甘やかしすぎた俺も悪いのはわかっている。
 だから、強く言うことができない。最近では外に出ることもないため、どんどん女の子らしさもなくなっている。こ、これは今回こそ心を鬼にしてなんとかしなくては!!






そう決心をして俺は仕事へと向かった。










……… 「神谷くん、ご苦労様、1時間残ってもらって悪かったな、でも君は仕事が早いから助かるよ、
今日は上がってしっかり体を休めてくれ!」


 部長から声をかけられ、仕事の終了を告げられたら俺は凛乃花の待つ家へと急ぐ。仕事が終わる時間を
しっかり把握しているため、あまりに遅くなると心配してしまうからである。


「ただいま~!」


「こーちゃんおかえり~!遅かったね~ご飯できてるから食べよー」


  「今夜のご飯はカレーか!」
  


はじめに言っておくが、太っているからと言って凄い食事が出てくるわけではない。凛乃花自体元は痩せていたし、要は体を動かすことなく食べるから太るのである。




 ご飯を食べ終え、休憩しているといきなり凛乃花が抱きついてきた。


「ねえ~、最近全然ご無沙汰だしー、たまにはしようよー」


 凛乃花が言ってるのはいわゆる男女が行うアレだ。


 「よし、凛乃花。なら足と腕、それから脇を見してみろ!」


 ギクッ!


 凛乃花はわかりやすく反応する。そう、ニートで外に出ない凛乃花は女の子であればする人が多い処理をしていないのだ。


「元はアイドル的存在のお前が今、こんな有様じゃ高校時代の友達、先輩みんな泣くぞ?」


「こ、こーちゃん!世の中には、む、無駄なものなど無いのです~」


 苦し紛れの言い訳か!


「よし、凛乃花こうしよう、そういうことがしたかったら、剃る、痩せる、働く、この三か条だ!それができるまでは 禁止だ~!」


「そ、そんな~……せっかく同棲してるのに……」


 まだぶつぶつ言っているがそこはほっておくとしよう。俺だって我慢しなきゃならんのだ。
 きっと、こうしてちょっとずつ厳しくしていれば働いてくれるだろう。




 そんなことを考えながら仕事の疲れもあった俺は
そのまま眠りに入っていった。
そして俺はその日不思議な夢を見ることになるの
だった……







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