蔵書一万冊を多分超えるであろう元書店員のお勧めマンガ

彦猫

その二十三 ムジナ  相原コージ 小学館

 忍者マンガの最高傑作はなんだろう?
 若者というか、ほとんどの読者はNARUTOと答えるだろう。高年齢層などは伊賀の影丸というかもしれない。原作ありのバジリスクなどは私も好みである。
 だが異色の傑作を挙げるとするなら、この作品が際立っている。


 作者は相原コージ。そこそこ有名だがメジャーな作家ではない。
 描いている作品も面白くはあるが、万人受けする傑作ではない。
 だが読む価値があるかと問われれば、深く頷くだろう。


 サルでもかけるまんが教室とかコージ苑など、ギャグ漫画が主体の作家であり、ムジナにもその要素はふんだんに取り入れられている。
 というか主人公の必殺技がね……。これはそりゃ、相手も止まるわw


 そんな相原コージであるが、この作品は珍しくというかほとんど唯一と言うか、ストーリーもとても面白い。
 終盤のシリアス展開などは、何か勘違いしてしまったかのような錯覚を覚える。
 いや本当に。あれって作者狂ってない?
 あんな真っ当に終わる作品って、この人描けたわけ?


 邪道漫画家と呼ばれているらしいが、こんな物語をぶっこんだりするのだから、それも納得の話である。
 あまり説明するとかえって面白くないと思うのだが……これを楽しめる人は、かなり少ないのではないだろうか。


 でも紹介するよ。だってそれが私の趣味なのだから。

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