旦那様は魔王様
11
沙良がシヴァの部屋で一夜をすごした日から数日たった、ある日の午後。
ふらりとやってきたアスヴィルにバスケットを差し出されて、沙良は首をひねった。
受け取って中身を見ると、クッキーやケーキなどのお菓子がこんもりと入っている。
「どうしたんですか、これ」
アスヴィルはいつもお手製のお菓子を午後のティータイムのときに差し入れてくれるが、こんなにたくさんのお菓子をバスケットごともらったのは、はじめてだった。
アスヴィルはほんのちょっぴり困った顔をして、一通の手紙を差し出した。
『沙良ちゃんへ
やっほー 沙良ちゃん
お元気かしらぁ?
今日はとってもいいお天気だし
アスヴィルにお菓子を作らせたから
よかったらお庭の迷路でティータイムをしないこと?
迷路の真ん中に四阿があるの
今ちょうど、四阿の周りの蔓薔薇もきれいに咲いているし、ね?
いいでしょう?
四阿のところで待っているからぜひ来て頂戴ね!
愛をこめて ミリアムより』
沙良は少しびっくりした。
ミリアムとは過去に一度会ったきりだったのだ。
まさかティータイムに誘ってもらえるとは思わず、アスヴィルから受け取ったバスケットを見下ろす。
(これが俗にいう、女子会ですか!?)
しかも、外に出ることができる。
考えてみれば、沙良は一度も城より外に出たことがなかった。
窓から見下ろしていたあのきれいな庭でティータイムを楽しめるのだ。
わくわくしないはずがない。
「あとで迎えに来るから、支度しておけ」
「支度、ですか?」
沙良は自分の格好を見下ろした。
相変わらず、ミリーによってフリフリなドレスを着せられている。今日は空のような青色に、白いリボンや真珠が散りばめられたドレスだった。
充分豪華だが、このままではいけないのだろうか?
「ミリアムが、ティータイム用にドレスも用意している。あとから届けられるはずだからそれに着替えて待っていろ」
沙良は「ティータイム」のためにわざわざ着替える必要性は理解できなかったが、アスヴィルがそう言うのであれば、と頷いた。
「わかりました!」
素直に頷く沙良に、アスヴィルは何か言いたそうな視線をよこしたが、結局何も言わずに、「またな」と言って彼は部屋を出て行ったのだった。
ふらりとやってきたアスヴィルにバスケットを差し出されて、沙良は首をひねった。
受け取って中身を見ると、クッキーやケーキなどのお菓子がこんもりと入っている。
「どうしたんですか、これ」
アスヴィルはいつもお手製のお菓子を午後のティータイムのときに差し入れてくれるが、こんなにたくさんのお菓子をバスケットごともらったのは、はじめてだった。
アスヴィルはほんのちょっぴり困った顔をして、一通の手紙を差し出した。
『沙良ちゃんへ
やっほー 沙良ちゃん
お元気かしらぁ?
今日はとってもいいお天気だし
アスヴィルにお菓子を作らせたから
よかったらお庭の迷路でティータイムをしないこと?
迷路の真ん中に四阿があるの
今ちょうど、四阿の周りの蔓薔薇もきれいに咲いているし、ね?
いいでしょう?
四阿のところで待っているからぜひ来て頂戴ね!
愛をこめて ミリアムより』
沙良は少しびっくりした。
ミリアムとは過去に一度会ったきりだったのだ。
まさかティータイムに誘ってもらえるとは思わず、アスヴィルから受け取ったバスケットを見下ろす。
(これが俗にいう、女子会ですか!?)
しかも、外に出ることができる。
考えてみれば、沙良は一度も城より外に出たことがなかった。
窓から見下ろしていたあのきれいな庭でティータイムを楽しめるのだ。
わくわくしないはずがない。
「あとで迎えに来るから、支度しておけ」
「支度、ですか?」
沙良は自分の格好を見下ろした。
相変わらず、ミリーによってフリフリなドレスを着せられている。今日は空のような青色に、白いリボンや真珠が散りばめられたドレスだった。
充分豪華だが、このままではいけないのだろうか?
「ミリアムが、ティータイム用にドレスも用意している。あとから届けられるはずだからそれに着替えて待っていろ」
沙良は「ティータイム」のためにわざわざ着替える必要性は理解できなかったが、アスヴィルがそう言うのであれば、と頷いた。
「わかりました!」
素直に頷く沙良に、アスヴィルは何か言いたそうな視線をよこしたが、結局何も言わずに、「またな」と言って彼は部屋を出て行ったのだった。
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