旦那様は魔王様

狭山ひびき

2

沙良は、両親から愛されていなかった。

幸いなことに、両親の顔だけは知っている。

だが、生まれてこの方、両親とまともに会話をした記憶はなく、優しい瞳で見つめられたこともなかった。

沙良は、愛が何なのかを知っている。

部屋にあるいくつもの小説に書いてあったからだ。

だが、愛を実感したことは一度もない。

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