普通

柊 翼

ワレル

その日私は人をコワした。

真っ赤に染まる手は今になって震えはじめる

何故こうなったんだろう……。

ワタシは何もワルクないのに…

ーー

私は至って普通の高校生である。

どこかで書かれいるような

天才でもないし、美少女でもないし、転生者でもないし、魔法使いでもないし

もちろん鬼なんて狩れない。

そんな私はどこかで自分の人生すら主役は自分じゃない気がしていた。

キラキラの青春を夢見ていた中学時代

高校生になれば勝手に彼氏が出来て、デートして…幸せになれるんだと…

そんなふうになれると本気で信じていた。

これでは白馬の王子様が迎えに来ると信じているお姫様と同じ思考だと最近気付いてしまった。

そもそも普通の私が恋をしようとするのが間違いだったのでは?

クラスには可愛い子が溢れてる。

皆可愛いらしく化粧をして、流行り物には敏感で常にオシャレである。

同じ制服を来ているのになぜこうも違うのだろう?

努力の差かそれともやっぱり生まれ持ったナニカなのか。

そう思うと自分が何故か惨めに思えてきた。

私がどれだけ努力しようとこの子達には敵わない…だって土台が違うもん…

皆…消えちゃえばイイのに…

そしたらもう…ガンバらなくてイイのに…

壊れちゃえ……


あぁ…そっか…壊せばイイのか…

その時ナニカがコワれる音がした。

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