【旧版】自分の娘に生まれ変わった俺は、英雄から神へ成り上がる
第144話 ついにバレた!?
「ママ(ヨメナ先生)!?」
そう、そこにいたのはヨメナだった。もっと正確に言うと、ヨメナと、ヨメナに背負われて眠っているセレスだった。
「でも、私たちが逃げてからそんなに時間が経ってないけど…」
「当たり前じゃない。あのくらいの強さならすぐ終わるわよ?こう、ちょちょいのちょいっ!てね」
「は、はぁ…」
まあ、確かにあのくらいの強さなら、ヨメナにとって苦とはならないだろう。でも、もう少し尺を伸ばしてくれても…してくれないか。
一方のココロは、「さすがヨメナ先生!」と少し興奮しながら憧れの目を抱いている。まあ、普通はこうなるか…
「だけど、これで終わったわけじゃないわよ、シア、それとココロちゃん」
「「えっ?」」
「今はこうして意識を失っているからセレスは大人しいけど、目が覚めたらきっとまた暴れるわよ。何故かわかる?」
「洗脳されているのでは?」
「そう、正解よ。だがらシア、これからわたし達はなにをすればいいと思う?」
「洗脳を解く?」
「そうよ。でも、セレスを洗脳している魔法はそこらの魔法では対応できない。おそらく、私の魔法でも。この魔法をセレスにかけた人は、私と同格もしかしたら、その上を行くかもしれないわ」
「っ!!」
俺は、ヨメナの発言に対して、声にならないほどの驚きをみせた。
「そんな…ヨメナ先生よりも上を行く人物がいるだなんて…」
「でも、証拠がここにあるのよ」
「うっ」
その場には、少し気まずい空気が流れた。だが、ヨメナの目は死んでいなかった。
「でも、一つだけ可能性を見つけたの。確かではないけれど、一つの可能性を」
「それは一体なんですの!?」
ココロは身を乗り出してヨメナに尋ねた。
「それはシアよ」
「えっ、シトレアさん?」
それを聞いた瞬間、ココロの顔はぽかんとしていた。
失礼な。
「シア、シアには魔法を打ち消す力がある。そうじゃないの?」
「っ!?」
ヨメナの率直な質問に、俺は驚いた。
「い、いつ分かったの?」
俺は戸惑いながらもヨメナに聞いた。
俺がヨメナの前でそれをやったことは無いはず。じゃあ、なんで…?
「さっきの試合の時、対戦相手の魔法を打ち消していたから、それで気づいたのよ」
「あっ」
ヨメナが観ているのを忘れてやってしまった…
あの時の俺のバカ!!
「じゃあシア、早いうちにセレスの洗脳を解いてあげてちょうだい」
「わかった…」
そして俺はセレスの手を握り、神経をすぎ澄ました。
手先から体の隅々まで。そしてついに…
見えた!
根源の魔法を見つけることができた。
俺はそれに向かって、「洗脳魔法解けろ〜、解けろ〜」と念じて、洗脳を解いた。
「ふぅ、終わった…」
セレスを三人でベッドに寝かせ、やっとの事で緊迫した状況から気をぬくことができた。
「シア、お疲れ様」
「ママ、ありがと」
「そういえばシア、私に隠し事してたわよね?」
ぎくっ
「してたわよね?」
「は、はい」
「後で私のところに来なさい」
「はい…」
この後、こっ酷く怒られました。
「私には隠し事禁止!!」と。
だがらって、「俺はアキレアの生まれ変わりなんだ」って言えないぞ…?
誰か、助けてくれ!
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