【旧版】自分の娘に生まれ変わった俺は、英雄から神へ成り上がる

東郷 アリス

番外編 聖なる夜にはご馳走を



ある日の事。


俺とセレスは街の広場で、待ち合わせをしている人が来るまで近くのベンチに座って待っていた。


「寒い〜」


俺は手袋をして暖めている手に、気温が低いために白くなった息を「はぁー」と吐いた。


一応手袋の他にもマフラーや暖かそうななんか(上着)をヨメナやオシエ、セレスたちにたくさん着せられたのだが、それでも寒い。


何故なら…


「なんで下はスカートなんだよ!!」


そう、俺が今履いているのはスカートなのだ。


ただでさえスカートを履いているときはスースーするというのに、それプラス冬の寒い日にスカートを履くとなると、スースーを通り越して何も履いてないんじゃないかと錯覚してしまう。


「てか、本当に寒いな…」


「シア様、そろそろ言葉づかいを直されたほうが宜しいかと。もうそろそろ時間ですので」


「うっ、分かった」


それよりもだ。話は少し戻るが、待ち合わせをしている人がいると最初に話したが、誰と何をするために待ち合わせをしているのかは話していなかったから話しておこう…と、その前に。もう着たみたいだ。


「シア、待たせたわね」


そう、今回待ち合わせしていたのは、エリナたちだったのだ。たちといったのは、エリナのお母さんも一緒に待ち合わせをしていたからだ。


「では早速行きましょう」


そして俺の手を引くセレスを先頭に、俺たちは寒さに耐えながら歩き出した。










しばらくして俺たちは家に到着した。


「あ、シアちゃんお帰り!!」


玄関では元気よくアリサがお出迎えをしてくれた。


「ただいま?」


ここは俺たちの家だから、アリサにお帰りを言われると少し違和感を感じる。


「あら?シア戻ってきてたのね、おかえりなさい」


「うん、ただいまママ」


俺たちの到着に気づいたヨメナも、玄関に顔を出してきた。


「エリナちゃんもフィーナさんもいらっしゃい」


「はい、お邪魔させていただきましゅ!」


フィーナは、ヨメナに丁寧に返事を返したが、エリナは噛んでしまい、顔を赤くしている。その頰は暖かそうだ。


「これでみんな揃ったな」


「そうですねー!盛り上がってきましたよ!」


「あっ、オシエとライラ」


「うむ、シトレアか、お邪魔してるぞ」


「それよりも皆さん、すでにご馳走は準備できていますよ!!温かいうちに食べちゃいましょう!」


「落ち着きなさいオシエ、よだれが垂れてるわよ。もう少しで食べれるのだし…それに自分で作った料理じゃない」


「それでもです!」


「そう…」


今のオシエは誰にも止められなさそうだ。うん、放っておこう。


それよりもだ。今日何故みんなで集まってご馳走を食べるのかという説明をしていなかった。それは、今日が『聖なる日』と言われてるからだ。


この日の前日は、聖夜祭というものがあり、とても街が活気付く。


俺たちは、席に付いていまかいまかとご馳走を見た。
大きなチキンに、これぞクリスマスと言っていいほどのその他の料理。どれもが美味しそうだ。


俺たちは飲み物を汲み、乾杯の準備をした。


そしてヨメナの合図でーーー


「みんな、メリークリスマス!!」


「「「メリークリスマス!!!」」」


俺たちは、その合図で目の前に広がっているご馳走を、お腹いっぱいになるまで食べ尽くした。























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