第107話 仲間外れ

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そうか、あの時だったかー。


すごい良い流れでことが進んで今思うと怖いな。


でもな！


あんな風に誘われたら誰でもやるよな！


あっ、俺だけですか…すみません。


そういえばあの後泊まっている宿に帰らなくてヨメナに散々怒られたっけな。


それで何してたか問い詰められた時、ライラが本当のことを喋り出したからその後しばらく話聞いてくれなかったっけな。


でも、ライラのおかげで立ち直れたから、ライラには感謝しなきゃな。






……てきなことをその話を聞いたときに思ったっけな。


今でも実感が湧かない。


アリサが俺の子供だなんて。


まぁ、いつかなるようになるだろう。
うん。
今はそう思っておこう。


「シア…」


「シアちゃん。大丈夫？」


「へっ？あー、だいじょぶだよ？」


色々考え事してて二人のこと忘れてた…


俺は気を取り直して、


「じゃあ、剣術の授業に行こうか」


「うん！」


「うん…」


俺はアリサとサラの返事を聞いてから、いつも以上にやる気を出して授業に向かうのだった。






なのに…なのに！！


「何故だーー！！！」


「シア様大丈夫ですか？」


「え？うん、だいじょぶだよ」


そうか、セレスがいたか…


俺はとなりにセレスがいたことも忘れてしまうほどのショックを受けていた。


その理由。
俺たちサラとアリサが剣術の授業に向かい、いざ始まろうとしたときに戻って説明しよう。


「今日はどんなことをやるんだろうね！」


「うーん？また同じじゃない？」


「んー？私、実践やりたい！」


「それはまだはや…」


「あっ、先生きた！」


「じゃあ、今回も走り込みから始めるぞ。みんな、スタート位置につけよー。あっ、その前に。シトレア・シルフォリウム！」


「何でしょう？ハフナー先生」


「お前に剣術の授業を参加させてやることが出来なくなった。だが、他の授業にも移れないしな。お前はこれから毎回の授業を見学してもらう」


何だと！？
見学？


「な、なんで？」


「察しはつくと思うが。授業しっかりついていけてるか？」


「うっ」


周りの生徒たちも俺のことを見せあざ笑う。


くそっ。
今にも見てろよ。
 

「そういうことだ。お前が無理をしてしまうと心配する奴がいる。だからダメだ。そしてお前がやめないと俺が死ぬ」


最後のは意味が分からん。


ま、察するにヨメナだろう。
ヨメナのことだから俺はもう剣術の授業に参加することは出来ない。


「シア…」


「シアちゃん…」


「だいじょぶだよ！私は二人を見てるから！ほら、私の分もやってきて！」


「わかった…シアが、そう言うなら」


「うん、じゃあ行ってくる！」


「うん、いってらっしゃい…」


俺は二人を見送った。


まぁ、この授業受けても俺には意味ないのは元から分かってたしな。


身体強化を使えばこの世界の誰でも負けないくらいに剣を扱うことが俺にはできる。


だから俺にこの授業は受けても受けなくても必要がなかった。


だけど、授業を受けているアリサとサラを見ていると、どこか胸が苦しくなった。


だが俺はこの正体を知っていた。


「これがーーーか…」


このーーーを聞き取れたものは、となりにいたセレスも合わせて誰もいなかった。