【旧版】自分の娘に生まれ変わった俺は、英雄から神へ成り上がる

東郷 アリス

第92話 意外とやばいかも…



外に出るとそこには一人の大柄な男がいた。
その男は俺を見ると少し驚いた様子を見せ、すぐさま上から目線で喋りだす。
 

「ほう、俺たちのアジトに侵入したのは小娘だったか」


「そうだ」


「そうか。お前がここに来たということはあいつらは死んだか」


「そうだ。俺が全員殺した」


男は少し目を細める。


「ほう、お前がやったか。お前の姿を見て驚いたが、小娘でも俺は容赦はしないぞ?」


「別にいい。俺もそのつもりだ。というか、俺がハンデをやってもいい」


「っ!何だと!だったら俺に勝ってみせろ!小娘ごときが!おらぁあああ!!!!」


男は俺の挑発により痺れを切らしたのか、俺に向かって剣を振りかざしてくる。


俺はその剣の動きをいとも簡単に読みとり簡単に避ける。


「おそい。そんなんじゃ俺に勝てないぞ?」


「っ!ふざけるな!おらぁあああ!!」


そして男はまたも剣を俺に向けて振ってくる。
それに応じて俺も剣で受け止める……ことは出来なかった。


「くっ!」


俺は男にパワーに負けて振り飛ばされてしまった。


「くそっ、この腕力無さすぎ!」


そして俺は立ち上がろうとした。
がその時。


「ブラッドファイヤー!」


俺に向かって黒い炎が放たれた。


「闇魔法!?」


俺は驚きながらも間一髪のところで何とか避ける。
が、その後もその黒い炎は繰り出され続けた。


俺はただ避けるだけ。
それ以外に今は方法がない。
俺の魔法は強力だが、こんなところで使ってしまうと大惨事になりかねない。 
そして俺の魔法を見られることは、今後において不利に働く可能性があるからだ。
だから俺は迂闊に動くことができない。


「はぁハァハァ、体力が…」


そして俺の最大の弱点である体力が限界に近づいていた。
いや、もうほぼないと言ってもいい。


「やばいなこれは…」


「小娘。あんなに余裕ぶってたのに結局それか?」


流石に男も俺の体力のなさに気づいたらしい。


「今なら俺の女になれば許してやるぜ。まだ小さいが、何年かして使ってあげるからよ!」 


「…そんなことはお断りだ」


「じゃあ、俺が無理矢理してやるよ!」


男はそう言って俺にゆっくりと近づいてくる。


くそっ、本当にやばいなこれは…
考えろ俺。
冷静になれ!
ーーーーくそっ、思いつかない!
どうすればっ


 そんなことを考えているうちにも男は俺に近づいてくる。


くっ、こんな時にシルヴィアでもいれば!


そんな時だった。


「シトレアさん!」


そこにいたのはサラだった。





























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