【旧版】自分の娘に生まれ変わった俺は、英雄から神へ成り上がる

東郷 アリス

第65話 道のりの中で



王都への道のりは順調だった。


というか、ストックから王都まであまり離れていないため道は整備されているし、半日もせずに王都に行けるため、滅多に盗賊や魔物などといったものに出くわすことはない。


だから俺たちの旅路も順調に進むだろうーーー


「おえぇっ」


「シア様大丈夫ですか?」


「大丈夫だもんっ、うえぇっ」


「シアってば、良く男の子みたいに意地はるのよねぇ、ちょっと心配…そこも可愛いけれど」


「シア様、私のここをお使いになられますか?」


「うん、ありがと、つかう」


セレスから言われた提案を、俺は受け入れて甘えることにした。それと、セレスから言われた提案とは、世に言う男たちが悲鳴を上げて喜ぶひざまくらのことだ。


前世では、ヨメナにしかしてもらったことがないからか、少し違和感というか、不思議な感じというか。そんな感じがあるが、それでもぷにぷにの心地よい太もも気分は和らぐ……気がする。


そんな感じで乗り物酔いを紛らわして王都への道のりも半分くらいまで来た時のことだった。


「そろそろ王都まで半分くらいのところまで来たことですし、馬車を止めて昼食でもとりますか?」


そう言ったのは、馬車を操っているオシエだ。
俺たちは、馬車二台で王都に行こうとしていたのだが、俺たちが知っていた範囲で馬車を動かすことができるのが、フィーナさんくらいしかいないということに気づき、できる人がいないかみんなに聞いたところ、名乗り上げたのがこのオシエだ。


「そうね、そろそろ昼食とりましょうか」


「では、私は後ろに合図を送っておきます」


そういいながら、道から少し外れた場所にオシエは馬車を止めて、いったん馬車から降りた。


俺たちとは違う馬車に乗っていた、エリナやアリサたちも、馬車が止まると、馬車から降りてこっちへ歩いてやってくる。


「じゃあ、みんなでお昼ごはんを食べましょう」


ヨメナがみんなにそういうと、俺たちは、ご飯を食べる準備をしてからみんなで一斉に食べ始めた。


いつもと違う場所で食べるのは、少し新鮮味を感じて案外悪くはなかった。






そして俺たちが、昼食を食べ終えた頃のことだった。


『シア様、何者かこちらに向かって来ています!』


突然に、シルヴィアから忠告を受けた。


シルヴィアが、神界以外で俺と喋るのは珍しいことだ。俺の魔力まだ安定してないために、シルヴィアがいると、魔力がより上がってしまうため、暴走しかねないとのことであまり外へ出ようとしないらしい。


そのため、俺は厳重に警戒態勢に入った。


「ママ!なにかくる!」


「えっ?…本当だわ、みんな、一応準備しておきましょう」


俺たちは、みんな戦闘態勢に入り、いつか来る戦闘を刻々と待った。





コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品