【旧版】自分の娘に生まれ変わった俺は、英雄から神へ成り上がる

東郷 アリス

第63話 行ってきます



ついに、この街ストックを離れる日がやってきた。


自分の部屋の窓から覗く空は、青く晴れ渡っている。


「この街もしばらくお別れか…」


思えば、この街では色々な出来事があった。


自分のお葬式に出たり。
ドラゴンの襲撃にあったし。
それで一年目を覚まさなかったとか。
そして神界に行ったり。


などなど、色々な出来事があった。


そして、オシエ。
セレス。
ライラ。
アリサ。
エリナ。
シルヴィア。
フィーナさん。
ミレナ。
そしてキョウカさん。


このほかにも、たくさんの出会いがここにはあった。


前世ではライバル?だったライラの剣技を教えてもらったり。
あんまり気にしていなかった魔法を勉強して出来るようになったり。


そう、この街でたくさんの経験もしてきた。


今の時点でも、前世の自分とすでに同じくらい内容の濃い人生を送っていると自負していいくらいだ。


俺は、自分の部屋をある程度綺麗に整える。
といっても、荷物はすでに運んでいてほとんどないが。


「よしっ、完了っと」


俺が新たにシトレアとして、女として生まれ変わってもう六年いや、七年近く経った。


約七年もいたのだから、俺もこの街を離れることは名残惜しい。


だけど、前世でも別れや出会いはたくさん経験してきた。
本当はあまり慣れることは良いのか悪いのかは分からないが、もう慣れている。


「シア様〜行きますよ〜」


「は〜い」


そして俺は、ドアを開ける。


じゃあ、この部屋にあいさつをしよう。


「行ってきます」


そして俺は、自分の部屋のドアを閉じた。






玄関には、ヨメナとオシエ、セレスがみんな揃って待っていた。


荷物はと…
ないか…ヨメナが魔法で仕舞ってるし。


「持ち物は全部持った?」


「うん」


「もうここに住み始めてから十年近く経ったわね…」


「そうですね、ちょっと寂しいです」


オシエのキツネ耳は、少し垂れ下がっている。ちょっとかわいい。


「でも、また何年かしたら戻ってくるし寂しくないわ。確かに少し名残惜しいけれど…」


「「「…………」」」


「じゃあ、みんなで行きましょうか、王都へ、だから…」


「「「行ってきます」」」


名残惜しい家に挨拶を終え、そして俺たちは、新たなスタートを切り出した。


まだ、街は出ていないけど…





コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品