【旧版】自分の娘に生まれ変わった俺は、英雄から神へ成り上がる

東郷 アリス

第3話 お風呂場にて、少し昔話を



シトレアが生まれてから早二年が経った。


今ではまだ上手く喋れることは出来ないが、相手が理解できるくらいまでなら喋れるようになったと思う。


あと、自分一人で歩けるようになりました。
これも、自分でいける場所、行動範囲が広くなるためこれもまた嬉しい。


だが、ヨメナは、俺をこの家から出したがらない。 


多分、いや確信しているが、俺が死んでしまった影響だろう。
申し訳ないと思っているし、もう失いたくないという想いから過保護になってしまうのは、しょうがないと思う。
ここは俺も自重しようと思う。


だがこれよりも嬉しいことがある。


それは…おっぱいを飲まなくてよくなりました!
あと、オムツを卒業しました!


みんな!拍手!  パチパチパチ!


ありがとう!


一人で盛り上がっているって?
そこは気にしない。


こんなの自分のあそこをみられるよりはマシだし、おっぱいを飲むよりもマシなことだろう。
だから自重しない。


まぁとりあえず卒業出来たのは、この体の成長の早さのおかげだろう。
そこはとてもありがたい。
俺、この体になって初めてこの体に感謝した気がする。


だからといって、すべてがうまくいくことは無い。
そう、俺のまわりにはまだたくさんの危険なものが集まっている。


今日もその時間が近づいて来ている。


そう頭の中で回想していると、部屋のドアが開かれて、二人の少女ヨメナとオシエが部屋に入ってくる。


さあ、今日もパーティータイムの始まりだ。


「シア〜お風呂の時間よ〜。一緒にお風呂入りにいくわよ〜」


と、ヨメナが俺にお風呂に入る時間だと伝えた。


「さぁ、シア様、こちらにいらしてください」


と、オシエが言う。


みんな、そこで考えて欲しい。


俺は、たった歳を二つしか重ねていない身だ。「はーい」と元気に返事をしてオシエに抱っこされなければ、俺がアキレアだということがバレてしまうかもしれない。


うん。俺はまだ二歳だからしょうがないし、二歳児ではありえないあるまじき行為は慎んだ方が良いと思うからな。
だからこれはしょうがない。


そう思いながらも俺たち一行は、お風呂に向かった。


脱衣所に着くと彼女たちは服を脱ぎ始める。


下着姿の彼女達は、とてもも目の保養になる。


そしてヨメナとオシエの脱衣場でのいつもの会話がこれだ。


「ヨメナ様は、やっぱりお胸が大きくてうらやましいです。」


「えっ、そうかしら?でも大きいと肩こりがちょっと大変なのよ。だから、普通が一番よ」


そう言いながらも下着を脱いで二人とも裸になる。


ふぅ、眼福、眼福。


本当に嬉しい。
てか、不幸中の幸いっていうやつか?
これも女に生まれ変わった特典だろう。
やっぱご褒美が無きゃやってられん。


そして自分の服を脱いだヨメナは、俺の服を脱がし始める。
その間も彼女たちの話は続く。


「肩がこるというのは、女の子にとって贅沢な悩みです!ヨメナ様」


オシエは勢いよく、かつ大胆にヨメナにそう言い張る。
ヨメナはその勢いに戸惑っている。


「へっ、へーそうなのね?まっ、まぁ、それは置いといて。シアの服も脱がしたし、風邪を引く前に早いうちにお風呂に入っちゃいましょ」


ヨメナはオシエの勢いに圧倒されながらも話を晒してお風呂に誘う。


「そうですね、ヨメナ様。入っちゃいましょう」


「シアも入るわよ」


俺も「はーい」と答えて、ヨメナとオシエとともにお風呂場に入っていった。


俺はお風呂場に入ると、ヨメナに先導された椅子に座り、ヨメナに頭を洗ってもらう。


前までは、そこで体も一緒に洗ってもらっていたが、恥ずかしさが勝り、今はなんとか説得して自分で体を洗っている。
と言っても、髪の毛とかは洗ってもらうが。


そして体を洗い終わった俺たち三人は、湯船に浸かって、日頃から溜まった疲れやストレスを癒す。


「ああ〜きもち〜」


 やっぱりお風呂は良いな。
いろんな意味であったまるぜ。


「ふふふっ、なんかシア様おじさんみたいです」


「ええ、そうね、なんかアキ見たいな、うんん、似ているわね。やっぱりアキの血を引いてるだけあるわ」


「アキ?アキ様というのはどのような方だったのでしょうか?」


俺はその名を聞いた途端に体全体を強張らした。


「ああ、まだオシエに言ってなかったわね。私の夫のアキレアのことよ。もう死んじゃったけど」


「すっ、すみませんっ!」


オシエがそう言い終わると、その場に悪い空気が漂う。


俺はその悪い空気を断ち切るべく、ヨメナに聞いた。


「ママ、アキレアってどんなひとー?」


こう質問した理由は二つある。


一つは子供らしく、空気を読まずにいこうとおもったからだ。


もう一つは、ただ純粋にヨメナが自分のことをどう思っているのか聞きたくなったからだ。


「シア様、それは言っては…」


「別に良いのよ、オシエ」


「そうね、アキは…」


ヨメナはどう伝えるか、少し考えるている様子だった。


だが、昨日夜遅くまで起きていたせいか、突然俺に眠気が襲ってきた。
当然今は体が二歳で、まだまだ未熟なためにこの眠気には勝てない。


湯船の中で寝てしまうのは、ヨメナとオシエに迷惑をかけてしまうかもしれなが、あとは頼もう。


俺は心の中で謝ってお風呂の中で意識を手放した。






       ーーーーーーーー
〈ヨメナとオシエ視点〉




「うーん、アキはね、シアの…あれ?シア?」


「まったく動きませんね。どうやら寝てしまったようですね」


「ええ、そうみたいね。あいからわず、可愛らしい寝顔ね」


「ふふっ、そうですね、ヨメナ様」


「シアが風邪を引く前に私たちも出ましょうか」


そう言って脱衣所に向かう。


そのあと彼女たちは、着替えを済ませ、寝ているシトレアに服を着させて髪を乾かしてシトレアをベッドに寝かしつけた。


「おやすみなさい」


そう言ったヨメナは、シトレアの頬にキスをして部屋を後にした。

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