タヒチ探偵局〜罪人どもの異空間〜

cookie

51.戦闘







 僕達は2人の男と対峙していた。1人はビシッとスーツを着た男。もう1人は汚い服を着たホームレスのような男だった。





 「皆さん、スーツの奴は俺に任せてください。ぶっ殺してやりますよ!!」





 童貞と言われてブチ切れている優はスーツの奴しか見えていない。とそれを僕が制する。




 「ちょっと待て。すいません!そこの2人!」




 「!?」




 「お2人共ヴェインの人ですか?」




 僕が2人に訊くと他の人達は面食らった表情をしている。




 「おい、そんなこと訊いて何になるんじゃ!?」




 「何って、悪いことじゃなければ戦う理由がないじゃないですか!無意味な争いはやめるべきだ。」




 「だーかーらー、あいつらは組織の一員ってことは確定してるんだからアーテリーだろうがヴェインだろうが、そいつらに大量の金が回るのは悪でしょ。」
 




 「それは、そうですけど...。」

 



 すると目の前の2人が質問に答えてくれた。




 「そうだ。我々はヴェインの代表だ。資金集めの為に会場運営をしている。」




 スーツの男は淡々と答える。隣の汚い服の男はただ笑っているだけだ。





 「太一さん、やっぱりやっちゃいましょ。」




 「だ、だけど...」




 「ビビってるんですか?忘れてるかもしれませんが、杏は囚われてるんですよ!?」




 「...」




 「やってやるわい!!」





 僕は一度落ち着こうと深呼吸した。





 「...そうですね。戦いますか。」




 「よし。じゃあ作戦を伝えます。恐らく能力、パワーは向こうのほうが上。なので基本的には錯乱させる方向で行きましょう。その間に俺がプログラミングを進行させます。それが完成した時、留めです。」




 「よぉーし、やってやろうかい。こういう時の為に鍛えたからのう。」





 そう言って無敵さんから仕掛けた。素早く2人に近づく。速い。その勢いのまま汚い服の男に殴りかかった。しかし、




 「がっ!!」




 隣のスーツの男に横から殴られる。無敵さんはそれを直で食らったが、立て直し再び食らいつく。





 それを見つつ優と加藤さんが話している。




 「プログラミングって、どうやってあいつらに加藤さんを認知させるんですか?」



 「こういう場合はー、戦闘中だからあいつらはもう言葉通じない。とりあえずは俺の顔と、加藤っていう名前は知られてるからそれでプログラミング進める!時間は掛かるかもだけど早くできるよう努力する。」




 加藤さんはそう言うと鞄から小さい電子機器を持ち出した。




 「これ弄りながらあいつらを躱す。」




 そう言って電子機器にスイッチを入れる。




 「太一さん、行きましょ。」



 「あ、ああ。」




 僕と優は戦闘中の無敵さんと2人に飛び込んでいく。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品