タヒチ探偵局〜罪人どもの異空間〜

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46.会場








 翌日僕と無敵さんは優に案内されてギャンブル会場にやってきた。





 「...って本当にここであってるのか?」




 
 その場所はビルの一室だった。人通りの少ない、廃墟のようなビル。その中の一部屋で扉は頑丈に設計されてある。





 「怪しげな雰囲気がするんじゃが。」 




 「あ、あれ、なんか思ってたのと違ったっすね。まあいいや、入りましょう!」





 優がそう言ってインターホンを押す。その後男性の声が返ってきた。





 「はい、番号をお願いします。」





 「あ、番号っすね。えーっと、113193です。」





 
 「はい。どうぞ。」





 その声を合図に扉の鍵が開く。僕はその一連の流れを疑問に思った。





 「これ大丈夫かよ。明らかに違法ギャンブルの匂いがするんだが。」





 「この街では合法なんじゃないっすか?よくやってる人多いみたいっすよ。」





 「そ、そうなのか...。」
 




 そう言って僕達は中に入った。その中は外からの見た目では想像もつかないくらい広い会場であった。あちらこちらでカジノ、ポーカー、スロットとあらゆるギャンブルが行われている。思ったよりも大勢の人でざわざわ賑わっており、さながらパーティー会場という感じだ。





 「おお、なんか盛り上がっとるのう。」




 「イメージと全然違う。この街ではメジャーなんだね。」





 「そういうことっす。じゃ、早速各々頑張りましょう。」





 そう言うと優はそそくさとスロットのある方向に向かった。




 
 「まったく、身勝手な奴じゃ。」





 「まあまあ、僕達も何かやりますか。あ、これやりましょう。」
 




 見ると僕達の近くにバカラ会場があった。




 「前に社員旅行でサイパン行った時やったんですよ。無敵さんもやりましょ。」




 「おう。ちょっと説明してくれ。」





 僕は無敵さんにゲームの説明をした。ざっくり言うとトランプをディーラーにめくってもらい、そのカードがプレイヤーかバンカーか当てるというものだ。




 「まあ初心者は少額からやって徐々に慣れていくといいと思いますよ。」





 「おう、わかった。」





 そう言って僕達はギャンブルに参加した。思ったより楽しい。ギャンブルで、と言うのは少し癪だが久々にストレス発散をしたような気がする。刑務所に入る前はビビってパチンコもしなかったのに。僕達は時間も忘れてバカラに熱中した。






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 それからどれくらい経っただろうか。手持ちのお金が10分の1くらいになってきた時ふと無敵さんを見た。




 「まずい、負けてきましたー。って無敵さん!?」
 




 無敵さんの元には大量のチップがあった。




 「無敵さん、ボロ勝ちじゃないですか!!」





 「なんか適当に賭けてたら増えていったわい。ガハハハ!」





 「すげぇ、さすがですね。」





 「ギャンブル運が高くなる異能力でもあるんじゃろう。ガハハハ!!」





 無敵さんは絶好調でだいぶテンションが上がっている。






 「いいですねー。僕は負けてますよ。ちょっと休憩します。」





 「おう!ワシはもうちょっとやるぞ!」





 僕はそう言って席を外し入り口付近の自販機でカフェオレを買った。近くにベンチがある。が、ほぼ誰かに占領されている。唯一人1人座れそうなスペースがあった。





 「すいませんー、隣座っていいですか?」




 「ああ、いいですよー。どうぞ。」





 僕は隣に座っている人に声を掛けた。ん?どこかで聞いたことがある声だ。僕は顔を覗きこんだ。





 「あれ!?加藤さんじゃないですか!?」




 「ああ。なんだ、探偵さんだー!」




 そこにいたのは加藤さんだった。

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