あの滑走路の向こう側へ

きさらぎ ねこ

第2章 十三、懇親会の功名



梅雨も明け、夏本番という頃、
唯は、河合課長に別室に呼ばれていた。

「新しい業務は、どう? 慣れた?」
「はい、だいぶ慣れました。
 今、ビジネス実務法務検定の勉強もしてて、なかなか興味深いです。」

河合課長は、話を切り出した。
「来てもらったのは、他でもない、
 芹沢さん、仕事はしばらく続けてくれるんかな?」
「はい、そのつもりですが」

「実は、芹沢さんを契約社員に推薦しようかと思っててな」

唯には思ってもみない申し出だった。

「前、所長会議の後の懇親会に出てもらったやん、あの時、営業部長や所長にえらい評判良くてな、本社人事にも話が行ったみたいでな」

唯は、今までの仕事ぶりや努力が
認められたようで、嬉しかった。



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