現実世界が嫌になったので、異世界で魔王の夢を叶えて来ます!

白星

第36話 過去(7)

 「ねぇリーちゃん、やっぱりやめようよ。」
 「何言ってんのよサラ、ここまで来たらやるしかないわ。」

 どこにつながっているかわからない大きな扉の前で私達は、扉を開けるタイミングをうかがっていた。
 リーちゃんが言うには、この扉の先におじいさま達がいるらしい。
 今日もおじいさまと一緒に魔界まで来たけど、おじいさまがいつもより上機嫌だったのが気になった。
 そのことをリーちゃんに話すと、リーちゃんのお父様も今日はいつもよりも上機嫌だったらしい…この扉の奥でおじいさま達がやっていることと関係があるのかな?
 気になることが増えていくにつれて恐怖も募ってきた。
 もしかしたら私たちが知ってはいけないことだから秘密にしているんじゃないかとも思ってしまった。

 「ねぇリーちゃん、ほんとに開けるの?」
 「ええ、サラだって気になってたでしょ?」
 「そ、それはそうなんだけど…。」

 私はどうにかしてリーちゃんを止める方法がないか考えていると、扉の中から声が聞こえてきた。

 「ヴォルよ、やはりこの男で決まりじゃろ。」
 「そうだな。」

 おじいさま達の話声が扉の前にいる私達のところまで聞こえてきた。
 私達は、おじいさま達の会話を聞こうと耳を傾けた。

 「それでヴォルよ、あの子たちには話すのか?」
 「ああ、ちょうどリーゼも気になっていたから頃合いだろう。」

 なんのことだかわからないけど、私たちの話をしていることだけはわかった。

 「では、二人を呼んでくるとしようかの。」

 そう聞こえた数秒後、こちらに近づいてくる足音が聞こえてきた。

 「や、やばいわね…急いで部屋に戻るわよサラ。」
 「えっ!う、うん。」

 リーちゃん手を引かれながら、急いでリーちゃんの部屋へと戻った。
 おじいさまが部屋に来る前に乱れた呼吸を整えて、さっきまで遊んでいたかのように部屋をセッティングした。

 「は~、これで何とか大丈夫ね。」
 「そ、そうだね。」

 耳をすますと、こちらに近づいてくる足音が微かに聞こえた。
 その足音が大きくなっていくにつれ、私達の緊張が増してきた。
 そして足音は、私達がいる部屋の前で止まり、コンコンとノックの音が部屋中に響き渡った。

 「ど、どうぞ。」

 リーちゃんの声もいつもより低く、それでいて微かに震えていた。
 リーちゃんの返事を確認したかのように、ゆっくりと扉が開いた。

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