現実世界が嫌になったので、異世界で魔王の夢を叶えて来ます!

白星

第34話 過去(5)

 「いらっしゃい、ここが私の部屋よ。」

 リーゼと名のる少女に連れてこられた部屋はさっきの薄暗い空間とは違い、明かりがついてあり、部屋の基本色がピンクでかわいらしいぬいぐるみも置いてある、女の子の部屋という感じがした。

 「ここが…あなたの部屋?」
 「そうよ。あ、子供っぽいって思ったでしょう?」
 「そ、そんなこと…」
 「ま、別にいいんだけどね…じゃあサラ、今からめいっぱい遊びましょ。」

 そこからは二人でいろいろな遊びをした、私も久しぶりに誰かと遊べて楽しかったのだろうか、さっきまで不安でおじいさまのことばかり考えていたはずが、何も考えずに遊びに夢中になっていた。

 「なんだ、笑えるじゃない。」
 「え?」
 「お父様からはあんまり笑わない子だって聞いてたからどんな子だろうと思ったけど、安心したわ。」

 今日、目の前にいるリーゼという少女といっぱい遊んで分かった…最初は魔王の娘と聞いて怖かったけど、遊んでいるといろいろな場面で気配りができ、相手の意見も尊重してくれる優しい少女だった。

 「サラは絶対笑っていたほうが良いわ。」
 「そうかな…?」
 「ぜーったい、そっちの方がいいわ。」
 「そうだよね…。」

 そう私はリーゼに言ったが、心のどこかでずっと無理だとわかっていた。
 天界に帰るとまた昨日と同じような日々を送るだろうと…。

 「ねぇサラ?」
 「な、なに?」

 浮かない顔をしていた私にリーゼが喋りかけてきた。

 「よかったらこれから毎日私と遊ばない?」
 「え…それってどういうこと?」

 唐突なリーゼの提案に私は理解が追い付かなかった。

 「サラのおじいさまも最近毎日来てるみたいだし、もし天界にいるのが嫌だったら、こっちに来て私と遊んだほうが絶対に楽しいじゃん。」
 「リーゼちゃんはそれでいいの?」
 「私もサラと似たような感じだからむしろその方が楽しい。」
 「うん、じゃあそうする。」
 「じゃあ約束ね。」

お互いに約束を交わし、私は用事が終わったおじいさまと一緒に天界に帰った。

 「サラよ、楽しかったか?」
 「……うん。」

 こんなに明日が楽しみと思ったことなんてなかった。
 自分の部屋に戻った私は、久しぶりに楽しく遊んだせいか、ベットに横になるとすぐ眠りについてしまった。

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