現実世界が嫌になったので、異世界で魔王の夢を叶えて来ます!

白星

第29話 理由

 人生最大の緊張を終えた俺は、サラに耳かきをされていた。
 耳かきをされながらも、いまだにサラがどうしてここを選んだのかがわからないままでいた。
 そのことが気になりすぎて、心地いいはずの耳かきが何も感じななくなっている。
 聞きずらいことではあったが、聞かなければらちが明かないと思った俺はサラに聞くことにした。

 「今更だけど、なんでこの場所なんだ?」
 「なんでとはどういうことでしょうか?」
 「サラもここがどういったことをするところかは知ってるだろ?」
 「そ、それはもちろん存じ上げておりますけど…。」

 耳かきされていて顔は見えないが、声色で恥ずかしがっているのがわかった。

 「ここにしたのにはほかの理由があったのか?」
 「…はい。」

 やはり最初に思っていた通り、サラにはほかの目的があったようだった。

 「一つは、あの二人には見られたくなかったことです。」
 「もう一つあるのか?」
 「はい、もう一つは…ここだといろんな衣装が借りれるからです!」
 「ああ~なるほど…。」

 そういえばサラは形から入るタイプだったな…

 「それがここを選んだ理由というわけか。」
 「はい。」
 「わかった、手を止めさせて悪かったな、もういいぞ。」
 「では、続きをさせていただきますね。」

 そういうと自分の耳に耳かき棒が入ってくるのがわかった。
 さっきまでとは違って、心地よさがすごく伝わってきた。
 訓練で疲れていたのもあって、眠くなっていき、徐々に意識がなくなっていった。

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