現実世界が嫌になったので、異世界で魔王の夢を叶えて来ます!
第6話 二人の少女
そう神が言った瞬間だった。
一つは地面から影が出てき、もう一つは頭上から光が現れた。
「な…なんだ?」
その瞬間、影と光が俺のほうにすごい速度で向かってきた。
どんどんと俺との距離が縮まってくるが、一向に速度が落ちる気配がない。
俺は逃げようとしたが判断が少し遅かった。
逃げようと振り返った時にはもう体に何かが触れる感覚がした。
「うわっ!」
案の定俺はすごい速度で来た影と光の衝撃に耐えられず後方に飛ばされ、あおむけの状態で床にたたきつけられた。
…あれ?痛くない…それどころか両腕に何か柔らかい感覚が…
俺は後方に飛ばされた際に不意に閉じた目を開いた。
「……え?」
そこには、こちらを見つめながら俺の腕に抱き着いている少女が二人もいた。
「見て見てサラ!私、今本物の暮人様の腕に触れてるわよ!」
「そ、そうだねリーちゃん!私も触れてるよ!」
俺が戸惑っているのを知らずに二人は自分たちの世界で盛り上がっていた。
「こらこら二人とも少しは落ち着かんか。」
少し暴走気味に盛り上がっていた二人に落ち着くよう神が促した。
二人は顔を合わせて少し寂しそうにしながら俺から離れた。
やっと動けるようになった俺はその場に立ち上がった。
「そ、それで神様この子たちは誰なんですか?」
二人が離れてくれたことで落ち着くことができ、やっと質問ができた。
「うむ、まず暮人殿から見て右におるのがサラと言ってワシの孫なんじゃよ。」
神の紹介と同時に鮮やかなクリーム色の髪に何もかも見通すかのようなエメラルドグリーン色の瞳、透き通るかのような白い肌に負けないぐらい真っ白のワンピースを着た少女が頭を下げていた。
「次に、左におるのがリーゼ…ここにおるヴォルの娘じゃ」
同じく神の紹介で一歩前に出た少女が会釈をした。きれいで美しい赤髪に見つめあうと引き込まれそうになる碧眼、白い肌は真っ黒なドレスを着ているせいかより白く見えてしまう。
「さて、紹介も終わったところで二人とも、暮人殿に言うことがあるんじゃないかの?」
一瞬だけだったが少し神が怒ったような?俺にも緊張が走ったが二人はもっとだろう。
二人は一度顔を見合わせて俺の目の前まで近づいて足を止めた。
『申し訳ございませんでした!』
二人そろって俺に頭を下げてきた。
んー…こうやって二人の美少女が俺に向けて頭を下げているところを見ると…なんか自分まで悪いことしてるみたいだな。
「二人とも顔を上げてくれないかな?俺、謝れるのは好きじゃないんだ。」
謝っているやつを見ていると何もできなくてただ親に殴られながら謝り続けることしかできなかった自分を思い出してしまうから…
『は、はい!かしこまりました!』
素直に聞いてくれたし今までの言動を見れば悪い子たちじゃないのは一目瞭然だった。
二人とも顔を上げてくれたのはいいのだが…見つめあったまま会話が止まってしまった。
ど、どうしよう…学校では普通ぐらいには女子と話していたがいつも相手側から話してきたから問題なかったが今は状況が違った。
二人は俺から話しかけるのを待つかのようにもじもじしていた。
「そ、そういえば二人とも暮人に言いたかったことがあったのではないか?」
はー…良かった。魔王が喋ってくれたことでなんとかこの重い空気から抜け出せた…魔王様マジ感謝。
魔王の言葉を聞いた二人は同時に『あ!』と本来の目的を思い出すかのように一歩また一歩と俺との距離を詰めてきた。
俺は後ずさりしそうになったが彼女たちの真剣な顔を見るとそんな気も失せた。
『あ、あの暮人様!私たちも一緒に異世界について行ってもよろしいでしょうか?』
俺は少し驚いた。てっきり「異世界に行っても頑張ってください」みたいなニュアンスのことを言われると思ったからだ。
それにしても…この上目遣いは卑怯だな、もし俺が断ろうとしてもできなかっただろう。
ふと俺が通っていた高校の友達が言っていたことを思い出した。
「美少女の上目遣いはいいよな…それまで否定的な意見を持っていた人もそれを見てしまえば一瞬で肯定的に変えちまうんだからよ…まったく男は単純だな。」
そう言っていたその友達も同級生の女子に上目遣いで告白されて付き合ったとか…
まぁ、あいつの思いは分かった。確かにこれは破壊力抜群だな…
魔王と神の様子を見る限り納得はしているようだったし…別に断る理由もなかった。
「それは別に構わないけど…君たちは俺なんかでいいの?」
さっきまで不安そうにしていた顔は一転して明るくなった。
「はい!それでいいんです。むしろ暮人様じゃなきゃダメなんです。」
「私も暮人様じゃなきゃ嫌です。」
ん?なんか勘違いしているような?俺はただこんな弱い奴と一緒で大丈夫かを聞いたんだけどな…まぁいいか。
「じゃあこれからよろしくリーゼ、サラ」
俺は二人の前に手を出し握手をしようとした。
「はい!お願いします!」
「お、お願いします!」
一人ずつ握手を済せた俺は一つ疑問に思ったことを聞こうとした。
「そういえば、さっき…」
「では!今から異世界に転移させる準備をする。」
俺の声は見事に魔王に遮られてしまった。
俺は何事もなかったかのように魔王のほうを向いた。
一つは地面から影が出てき、もう一つは頭上から光が現れた。
「な…なんだ?」
その瞬間、影と光が俺のほうにすごい速度で向かってきた。
どんどんと俺との距離が縮まってくるが、一向に速度が落ちる気配がない。
俺は逃げようとしたが判断が少し遅かった。
逃げようと振り返った時にはもう体に何かが触れる感覚がした。
「うわっ!」
案の定俺はすごい速度で来た影と光の衝撃に耐えられず後方に飛ばされ、あおむけの状態で床にたたきつけられた。
…あれ?痛くない…それどころか両腕に何か柔らかい感覚が…
俺は後方に飛ばされた際に不意に閉じた目を開いた。
「……え?」
そこには、こちらを見つめながら俺の腕に抱き着いている少女が二人もいた。
「見て見てサラ!私、今本物の暮人様の腕に触れてるわよ!」
「そ、そうだねリーちゃん!私も触れてるよ!」
俺が戸惑っているのを知らずに二人は自分たちの世界で盛り上がっていた。
「こらこら二人とも少しは落ち着かんか。」
少し暴走気味に盛り上がっていた二人に落ち着くよう神が促した。
二人は顔を合わせて少し寂しそうにしながら俺から離れた。
やっと動けるようになった俺はその場に立ち上がった。
「そ、それで神様この子たちは誰なんですか?」
二人が離れてくれたことで落ち着くことができ、やっと質問ができた。
「うむ、まず暮人殿から見て右におるのがサラと言ってワシの孫なんじゃよ。」
神の紹介と同時に鮮やかなクリーム色の髪に何もかも見通すかのようなエメラルドグリーン色の瞳、透き通るかのような白い肌に負けないぐらい真っ白のワンピースを着た少女が頭を下げていた。
「次に、左におるのがリーゼ…ここにおるヴォルの娘じゃ」
同じく神の紹介で一歩前に出た少女が会釈をした。きれいで美しい赤髪に見つめあうと引き込まれそうになる碧眼、白い肌は真っ黒なドレスを着ているせいかより白く見えてしまう。
「さて、紹介も終わったところで二人とも、暮人殿に言うことがあるんじゃないかの?」
一瞬だけだったが少し神が怒ったような?俺にも緊張が走ったが二人はもっとだろう。
二人は一度顔を見合わせて俺の目の前まで近づいて足を止めた。
『申し訳ございませんでした!』
二人そろって俺に頭を下げてきた。
んー…こうやって二人の美少女が俺に向けて頭を下げているところを見ると…なんか自分まで悪いことしてるみたいだな。
「二人とも顔を上げてくれないかな?俺、謝れるのは好きじゃないんだ。」
謝っているやつを見ていると何もできなくてただ親に殴られながら謝り続けることしかできなかった自分を思い出してしまうから…
『は、はい!かしこまりました!』
素直に聞いてくれたし今までの言動を見れば悪い子たちじゃないのは一目瞭然だった。
二人とも顔を上げてくれたのはいいのだが…見つめあったまま会話が止まってしまった。
ど、どうしよう…学校では普通ぐらいには女子と話していたがいつも相手側から話してきたから問題なかったが今は状況が違った。
二人は俺から話しかけるのを待つかのようにもじもじしていた。
「そ、そういえば二人とも暮人に言いたかったことがあったのではないか?」
はー…良かった。魔王が喋ってくれたことでなんとかこの重い空気から抜け出せた…魔王様マジ感謝。
魔王の言葉を聞いた二人は同時に『あ!』と本来の目的を思い出すかのように一歩また一歩と俺との距離を詰めてきた。
俺は後ずさりしそうになったが彼女たちの真剣な顔を見るとそんな気も失せた。
『あ、あの暮人様!私たちも一緒に異世界について行ってもよろしいでしょうか?』
俺は少し驚いた。てっきり「異世界に行っても頑張ってください」みたいなニュアンスのことを言われると思ったからだ。
それにしても…この上目遣いは卑怯だな、もし俺が断ろうとしてもできなかっただろう。
ふと俺が通っていた高校の友達が言っていたことを思い出した。
「美少女の上目遣いはいいよな…それまで否定的な意見を持っていた人もそれを見てしまえば一瞬で肯定的に変えちまうんだからよ…まったく男は単純だな。」
そう言っていたその友達も同級生の女子に上目遣いで告白されて付き合ったとか…
まぁ、あいつの思いは分かった。確かにこれは破壊力抜群だな…
魔王と神の様子を見る限り納得はしているようだったし…別に断る理由もなかった。
「それは別に構わないけど…君たちは俺なんかでいいの?」
さっきまで不安そうにしていた顔は一転して明るくなった。
「はい!それでいいんです。むしろ暮人様じゃなきゃダメなんです。」
「私も暮人様じゃなきゃ嫌です。」
ん?なんか勘違いしているような?俺はただこんな弱い奴と一緒で大丈夫かを聞いたんだけどな…まぁいいか。
「じゃあこれからよろしくリーゼ、サラ」
俺は二人の前に手を出し握手をしようとした。
「はい!お願いします!」
「お、お願いします!」
一人ずつ握手を済せた俺は一つ疑問に思ったことを聞こうとした。
「そういえば、さっき…」
「では!今から異世界に転移させる準備をする。」
俺の声は見事に魔王に遮られてしまった。
俺は何事もなかったかのように魔王のほうを向いた。
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