現実世界が嫌になったので、異世界で魔王の夢を叶えて来ます!

白星

第4話 魔王の認識

 「暮人よ、お主には異世界で魔王となってもらい、世界の魔王の認識を変えてきてほしい。」
 「……は?俺が魔王に!?」

 こんな自信がなく、力もないこの弱者の俺が魔王に?
 それに俺はさっきの魔王の言ったことに疑問を抱いた。

 「あの…質問してもいいですか?」
 「うむ、何でも聞くがよい。」

 許しをもらえたので、さっき抱いた疑問について聞くことにした。

 「その魔王の認識とはどういうことなんですか?」

 俺が気になったのは『魔王の認識』、つまり魔王が俺を魔界に呼ぶことになった元凶だ。

 「そのことはワシから説明しよう。」

 さっきまで優しそうな顔をしていた神が真剣な眼差しで俺を見てきた。
 
 「その前に暮人殿は魔王と聞いて、今どんなイメージが浮かんでおるかのう?」
 「魔王のイメージですか…自分の欲望のためならどんなに悪いことでも躊躇せずに実行するイメージですかね。」

 たとえ目の前に魔王本人がいようとも嘘一つつかずに今の俺の魔王へのイメージを伝えた。

 「まぁそんなところじゃろうな。」

 おおよそ予想していた返答が返ってきたのだろう、神は何度もうなずいていた。

 「じゃがな、実際はそうじゃないんじゃよ。現にここに居る魔王と話していて、そのイメージは合っていたかの?」
 
 確かに…さっき言った魔王のイメージとは異なって気は強いが優しそうだし、話をしている時も不思議と恐怖感は無かった。
 何より決定的なのが、俺のイメージの魔王が神とこんなに仲良く話しをしているなんて考えられなかった。

 「いえ、そんな感じには思わなかったです。」
 「そうじゃろ?じゃがな暮人殿は直接会話をしたからそう思うようになったにすぎんのじゃ。会話もしてないものは皆、さっきの暮人殿と同じようなことを思ってるんじゃよ。」
 「まぁ、そうですね。」

 実際俺も魔王と会って会話をしなければイメージは変わってなかっただろう。

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