現実世界が嫌になったので、異世界で魔王の夢を叶えて来ます!

白星

第3話 神

 ほんの数秒で目が光に慣れ、俺は目を開いた。
 そこには、人間と何ら変わりない身体を白いローブでまとっている老人がいた。
 
 「こ、今度は何なんだ?」

 俺はたびたび起こる非日常な展開に理解が追い付かなくなっていた。

 「ほれ見てみろ、また暮人殿が困っておるだろうが。」
 「それはロータム、お前が来たからじゃないか?」
 「それはそうかもしれんが、最初から天界で見ておったが一向に話しが進んでおらんかったではないか。」
 「……天界?」
 
 また非日常的なワードが出てきて俺の脳内は爆発寸前だった。
 
 「そうなんじゃよ、ワシはロータム、暮人殿の世界では神と呼ばれておる。」

 魔王の次は神かよ…
 ん?魔王と神ってこんなに仲がいいものなのか?

 「聞いてて思ったんですが、お二方とも俺のことを知っているんですか?」
 「ああ、もちろんじゃ。わしらは暮人殿のことをこの魔界からずっと見ておったのじゃよ。」
 
 …なるほど、なんとなくは分かったが一つ疑問に思った点があった。

 「何で俺を見てたんですか?」

 正直言って俺のクソみたいな日常など見ても面白くないし、見られたくもなかった。

 「我がもともといろんな感情を持つ人間を観察するのが趣味のようなものでな、あの日もいつものように観察をしていたら暮人、お主から多大なる憎悪のオーラが漂っていてな、その日から気になってずっと観察していたのだ。」
 「憎悪のオーラ?」
 「まぁ簡単に言えば対象の物や人間への恨みや憎しみのことじゃよ。」
 
 俺が理解しきれないところを神が分かりやすく説明をしてくれた。
 憎悪のオーラか…まぁ原因は家族だろうな。
 家族のことは殺したいくらい憎んでいるし、もう記憶からも消し去りたいと思うぐらい恨んでもいる。
 
 「そ、そういえばヴォルよ、お主まだ夢の内容を話しておらんじゃろ。」
 「そ、そうであったなロータムよ、では本題の話をしよう。」

 俺は家族のことは忘れ、魔王の言葉に耳を傾けた。

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