そこからはじまる恋!

成瀬瑛理

恋のスタートライン2

「隙だらけですよ、葛城さん! 俺さっき言いましたよね。貴方を絶対に好きにさせて見せるって? だから隙あらばドンドン攻めますからね!?」

「こっ…こいつ……! 待て、調子に乗るな……!」

 葛城はその言葉に再び顔が赤くなると、怒りながら逃げる彼のあとを追った。阿川はそう言って悪戯に笑うと、落ちた段ボール箱を両手に持って非常口へと歩いたのだった。

「じゃあ、こうしちゃあいられないな。戸田課長に頭を下げて、またここで頑張って働こう! それに葛城さんの傍から離れるのは俺だって本当は嫌ですもん。だからここは貴方の言葉に甘えます!」

「阿川……」

 葛城は彼の言葉に呆れたようにフと笑うと、その場で言い返した。

「――そうだな、お前は俺のストーカーだしな?」

「ストーカーじゃありませんよ! 俺は貴方に純粋に片想いなだけです! きっと世界一、貴方を好きなのは俺だけですよ!?」

「オーバーな奴。それで俺が喜んでいると思っているのか?」

「かっ、葛城さん……!」

 阿川は彼に冷やかされると、ムキになって言い返したのだった。

「……しょうがないから俺も戸田課長に謝ってやる。だから感謝しろよ?」

「葛城さん、有り難うございます……! その方が俺も助かります……!」

 阿川はそう言って明るく返事をすると、彼の目の前でニコリと笑ったのだった。その笑顔に葛城はおもわずドキッとなった。

「阿川、お前それは反則だ。年下の癖にそんな甘いマスクで笑いかけて……!」

「なんのことですか?」

 阿川はそう言って言い返すと、キョトンとした表情で逆に聞き返したのだった。

「もういい……!」

「あっ、待って下さい葛城さん! 俺も一緒に……!」

「ついて来るな!」

 葛城はそう言って背を向けると、非常口の扉を開けて中に入って行った。そして、そのあとを彼が慌てた様子でついて行った。こうして二人の恋は、ここから始まった。



━━━━END━━━━

  



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