そこからはじまる恋!
揺れる想い2
「……いいんですか葛城さん。俺は貴方が好きなんですよ? そんな男が貴方の傍にいたら迷惑じゃないですか?」
「ッ……!」
「……俺はお前の気持ちには応えられないと言った。けど、これからは頑張ってお前のことを理解する努力はする。それでもダメなのか………?」
葛城はそう話すと自分なりに一生懸命、彼と向き会おうと努力しようとしていた。すごく曖昧な返事とまだ自分に対しての想いがハッキリしない中で、葛城は阿川にそう話したのだった。彼のその言葉に阿川はふとため息をつくと、足を一歩前に踏み出した。
「……葛城さんそれって正直よくわかりません。でも貴方がそういうなら、俺は貴方に宙ぶらりんな恋でもいいからしてみようと思います――」
彼のその言葉に葛城は自分の下唇を噛むと、もどかしい表情を見せた。好きか嫌いかもわからない中で、そう言って引き留めた自分に、もどかしい思いを彼自身も感じていたのだった。
俺は卑怯だ……
本当はハッキリとしなくちゃいけないのに、俺はあいつに甘えてる……
狡くて卑怯なのはきっと俺の方だ。
葛城は自分の気持ちが昂ると、再び涙を流したのだった。阿川はそんな彼のもどかしい気持ちを理解すると、スッと指先で涙を拭った。
「――じゃあ、ちょっとは俺のこと受け入れてくれる気持ちがあるって思ってもいいんですか? 葛城さんは俺のこと考えてくれるんですよね?」
阿川は最後にそう聞き返すと、葛城は涙を流しながら声を震わせて返事をした。
「おっ……俺は直ぐには答えは出せないぞ。そっ、それに好きか嫌いかもまだよくわかってないんだ……。こんな気持ちでお前を引き留めるのも自分でもどうかしているが……だけどお前が俺の前から居なくなるのは…――」
葛城はそう言って涙を流すと、片方の手で自分の顔を隠して涙を堪えたのだった。
「………葛城さんって恋愛に不器用な人なんですね。でもそこが可愛いです。そんな風に泣かれるとまた貴方を抱き締めたくなるじゃないですか?」
阿川はそう言って葛城の前で優しく笑うと、明るく話したのだった。
「よし、じゃあ一歩前進ですね?」
「阿川……?」
「俺こう見えても追いかけられるより、追いかけるのが好きなんです。遠回りかも知れませんけど、 いつか好きっておもわれるような男になって、その時は貴方を見返してやりたいと思います……!」
「お前……」
「俺、葛城さんに好きって言ってもらえるように努力しますからその時は逃げないで下さいね?」
阿川は葛城の複雑な気持ちを理解した上で、前向きにとらえた。そんな彼のひた向きな想いに、自分の心は揺れたのだった。
「でも葛城さん。俺、戸田課長に退職届けを出してしまったので、きっともう手遅れかと思いま………」
「ああ、これのことか?」
「えっ……!?」
阿川はその瞬間、驚いた表情をした。何故なら葛城の手には、彼が出した退職届けがあった。葛城は自分の着ているジャケットからそれを取り出すと、彼に見せたのだった。
「なっ、何で葛城さんがそれを持っているんですか……!?」
阿川はそう話すと、思わず動揺してみせた。葛城は彼の退職届けをみせると、事情を説明したのだった。
「そんなの決まっているだろ、戸田課長にお前を連れ戻せと言われたんだ……! でも、あいつに言われたから連れ戻しに来たんじゃないからな……!? これは俺の意思だ……!」
「えっ…――?」
「ッ……!」
「……俺はお前の気持ちには応えられないと言った。けど、これからは頑張ってお前のことを理解する努力はする。それでもダメなのか………?」
葛城はそう話すと自分なりに一生懸命、彼と向き会おうと努力しようとしていた。すごく曖昧な返事とまだ自分に対しての想いがハッキリしない中で、葛城は阿川にそう話したのだった。彼のその言葉に阿川はふとため息をつくと、足を一歩前に踏み出した。
「……葛城さんそれって正直よくわかりません。でも貴方がそういうなら、俺は貴方に宙ぶらりんな恋でもいいからしてみようと思います――」
彼のその言葉に葛城は自分の下唇を噛むと、もどかしい表情を見せた。好きか嫌いかもわからない中で、そう言って引き留めた自分に、もどかしい思いを彼自身も感じていたのだった。
俺は卑怯だ……
本当はハッキリとしなくちゃいけないのに、俺はあいつに甘えてる……
狡くて卑怯なのはきっと俺の方だ。
葛城は自分の気持ちが昂ると、再び涙を流したのだった。阿川はそんな彼のもどかしい気持ちを理解すると、スッと指先で涙を拭った。
「――じゃあ、ちょっとは俺のこと受け入れてくれる気持ちがあるって思ってもいいんですか? 葛城さんは俺のこと考えてくれるんですよね?」
阿川は最後にそう聞き返すと、葛城は涙を流しながら声を震わせて返事をした。
「おっ……俺は直ぐには答えは出せないぞ。そっ、それに好きか嫌いかもまだよくわかってないんだ……。こんな気持ちでお前を引き留めるのも自分でもどうかしているが……だけどお前が俺の前から居なくなるのは…――」
葛城はそう言って涙を流すと、片方の手で自分の顔を隠して涙を堪えたのだった。
「………葛城さんって恋愛に不器用な人なんですね。でもそこが可愛いです。そんな風に泣かれるとまた貴方を抱き締めたくなるじゃないですか?」
阿川はそう言って葛城の前で優しく笑うと、明るく話したのだった。
「よし、じゃあ一歩前進ですね?」
「阿川……?」
「俺こう見えても追いかけられるより、追いかけるのが好きなんです。遠回りかも知れませんけど、 いつか好きっておもわれるような男になって、その時は貴方を見返してやりたいと思います……!」
「お前……」
「俺、葛城さんに好きって言ってもらえるように努力しますからその時は逃げないで下さいね?」
阿川は葛城の複雑な気持ちを理解した上で、前向きにとらえた。そんな彼のひた向きな想いに、自分の心は揺れたのだった。
「でも葛城さん。俺、戸田課長に退職届けを出してしまったので、きっともう手遅れかと思いま………」
「ああ、これのことか?」
「えっ……!?」
阿川はその瞬間、驚いた表情をした。何故なら葛城の手には、彼が出した退職届けがあった。葛城は自分の着ているジャケットからそれを取り出すと、彼に見せたのだった。
「なっ、何で葛城さんがそれを持っているんですか……!?」
阿川はそう話すと、思わず動揺してみせた。葛城は彼の退職届けをみせると、事情を説明したのだった。
「そんなの決まっているだろ、戸田課長にお前を連れ戻せと言われたんだ……! でも、あいつに言われたから連れ戻しに来たんじゃないからな……!? これは俺の意思だ……!」
「えっ…――?」
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