そこからはじまる恋!
儀式1
阿川は俺の体の自由を奪い、体を弄んだ。しまいには、その行為はエスカレートした。もう止めらない。あいつは暴走した機関車のようにさらに突き進んでいった。そこには俺の意思とは関係なしに…――。
アイツは何も言わずに俺の側を離れると一端、喫煙所から出て行った。逃げるなら今しかないと思った俺は、ベルトで縛られた両手を外そうとベンチの上で暴れた。だが、どんなに引っ張っても体を左右に振ってもベルトは緩まなかった。
クソ……
阿川の野郎……
あいつに対して腹ただしさを感じないといえば嘘になる。むしろ殴りたい気分だった。あいつに散々、体を弄ばれたことに怒りと、やるせなさを感じていた。それに平行してあいつの支配に呑み込まれそうな、もう一人の自分がいた。
このままでは……
このままでは、本当に自分じゃなくなる………。
その得たいの知れないような妙な支配は、このまま自分さえも、変わってしまいそうなそんな恐怖が心のどこかにはあった。きっと受け入れたらあいつに呑み込まれる。それが心のどこかにあった。だから俺は、あいつに何かされる前に逃げようと必死で足掻いた。
蜘蛛の巣に囚われた蝶のように必死で阿川から――。
「くそっ……! ちくしょうっ! 外れないっ! くそっ、阿川の野郎っっ!!」
ベルトで縛られた両手はびくともしない。それどころか、暴れれば暴れるほどに、キリキリと両手が締め付けられた。
「はぁはぁ……! だ、だめだ……! くそっ……! だっ、だれかっ!!」
喫煙所の中に閉じ込められた俺は、中から外に向かって声を上げて助けを求めた。だが、外は暗闇だ。しかも真夜中だ。駅の周辺には、人が歩いてる姿さえもなかった。声を上げて助けを求める程に虚しさだけが増した。こんなところに阿川と一緒にいるだけでも、恐怖はさらに増し続けた。
「誰でもいいから俺を助けろ! 助けてくれ! だれかぁ――っっ!!」
極限状態に追い詰められると、大きな声を上げて叫んだ。するとガラッと喫煙所の扉が開いた。扉の前には阿川が立っていた。暗闇の中、ただ不気味に静かに笑っていた。
あいつが再び戻ってくると身体中が一気にゾクッとなった。阿川は扉を閉めると、笑いながら一言、「ダメじゃないですか」と俺に笑いかけたのだった。
「――葛城さんダメじゃないですか、そんな大きな声を出して……。せっかく2人だけの時間なのに、もっと楽しみましょうよ?」
「楽しむだって……?」
その言葉に頭の中がカッとなると、咄嗟に言い返した。
アイツは何も言わずに俺の側を離れると一端、喫煙所から出て行った。逃げるなら今しかないと思った俺は、ベルトで縛られた両手を外そうとベンチの上で暴れた。だが、どんなに引っ張っても体を左右に振ってもベルトは緩まなかった。
クソ……
阿川の野郎……
あいつに対して腹ただしさを感じないといえば嘘になる。むしろ殴りたい気分だった。あいつに散々、体を弄ばれたことに怒りと、やるせなさを感じていた。それに平行してあいつの支配に呑み込まれそうな、もう一人の自分がいた。
このままでは……
このままでは、本当に自分じゃなくなる………。
その得たいの知れないような妙な支配は、このまま自分さえも、変わってしまいそうなそんな恐怖が心のどこかにはあった。きっと受け入れたらあいつに呑み込まれる。それが心のどこかにあった。だから俺は、あいつに何かされる前に逃げようと必死で足掻いた。
蜘蛛の巣に囚われた蝶のように必死で阿川から――。
「くそっ……! ちくしょうっ! 外れないっ! くそっ、阿川の野郎っっ!!」
ベルトで縛られた両手はびくともしない。それどころか、暴れれば暴れるほどに、キリキリと両手が締め付けられた。
「はぁはぁ……! だ、だめだ……! くそっ……! だっ、だれかっ!!」
喫煙所の中に閉じ込められた俺は、中から外に向かって声を上げて助けを求めた。だが、外は暗闇だ。しかも真夜中だ。駅の周辺には、人が歩いてる姿さえもなかった。声を上げて助けを求める程に虚しさだけが増した。こんなところに阿川と一緒にいるだけでも、恐怖はさらに増し続けた。
「誰でもいいから俺を助けろ! 助けてくれ! だれかぁ――っっ!!」
極限状態に追い詰められると、大きな声を上げて叫んだ。するとガラッと喫煙所の扉が開いた。扉の前には阿川が立っていた。暗闇の中、ただ不気味に静かに笑っていた。
あいつが再び戻ってくると身体中が一気にゾクッとなった。阿川は扉を閉めると、笑いながら一言、「ダメじゃないですか」と俺に笑いかけたのだった。
「――葛城さんダメじゃないですか、そんな大きな声を出して……。せっかく2人だけの時間なのに、もっと楽しみましょうよ?」
「楽しむだって……?」
その言葉に頭の中がカッとなると、咄嗟に言い返した。
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