そこからはじまる恋!

成瀬瑛理

カフカ―化身―6

「――そうですね。貴方のその素敵な舌で、俺のここを舐めてしゃぶって下さい。そうしたらイラマチオは、見逃して上げますよ」


「っ……!」


 阿川は平然とした顔でそう言ってきた。俺はますますこいつがわからなくなった。むしろさっきよりも、行為がエスカレートしてきている。


 このままでは…………。


 その瞬間、自分の脳裏に最悪なことが浮かんだ。


「貴方に亀頭を舐めてもらいましょうか? そして、ゆっくりと上から下に舐めて貰えますか?」

「ッ……!」

「私が貴方にしてあげたようにしていただければ結構です。さあ、どうぞ――」

 阿川はそう言って俺の目の前に性器をつきだした。あいつの性器を間近で見ると、思わずゴクンと息を飲んだ。本当はこんな事したくない。だが、しなくてはならい状況に追い詰められているのは確かだった。嫌だがしないわけにはいかない。そう自分に言い聞かせると、俺はあいつの性器を指示どおりにゆっくりと舐め始めた。

 言われたとおりにしてやった。あいつの亀頭を舌でゆっくりと舐めては口を動かして、必死でしゃぶりついた。あいつは俺が素直にいうとおりにすると上機嫌になった。

 まさか自分がこんなことをするなんて。
 まさか同性相手にこんな……。
 俺はあいつのものを舌で舐めながら、悔しくて涙が出た。

 阿川は上から見下ろしながら、俺の頭を掴んで舐めさせた。まるで犬と主のような光景だ。征服と服従、そして支配。俺はあいつの玩具にされながら、無様に性処理の道具として扱われた。

「いいですよ葛城さん……! もっともっと舌を使って下さい……! そうです……もっとです!」

「んんっ……! っん……」

 俺は性器をゆっくりと舐めては、あいつが悦ぶことをしてやった。もうそこには自分らしさなんて、どこにもない。ただのいいなりだ。 俺はあいつが、画像をばらまかないように必死でしゃぶって悦ばせた。
 
「素敵ですねぇ。貴方みたいな高貴な人を、プライドの塊みたいな人を、自分のいいなりにして犯せるなんて――。今の貴方は犬です。それをわかってますか?」

「んんっ……!」

 阿川は俺が服従している様子に満足そうに話した。そして、俺はあいつに罵られながらも悔し涙を堪えて我慢したのだった。


 人間だれしも自分の弱味を握られれば、この有り様だ。俺はあいつに画像をばらまくと脅されて、それが嫌でこうしている。


 あいつのいうとおりだ。俺は今、あいつのただの犬にしか過ぎない。まさか自分がこんなことをするなんて…――。



「そこからはじまる恋!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く