そこからはじまる恋!

成瀬瑛理

カフカ―化身―4

「ふふふっ、やっと素直になってくれましたね。では貴方の口でイカせてもらいましょうか?」

「くっ……!」

 阿川はそう言うと、俺の顔に性器を近づけた。こんな近くで同性の性器を見るのは初めてだった。それは不思議な感覚と、いけないことをしているような妙な感じがした。 

 禁断の扉を開けたさきにあるのは、きっと自分の中に隠されている性(サガ)だ。それは俺をどう変えるのか、阿川はその先を俺に教えようとしていた。

「さあ、どうぞ――」

 阿川はそう言うと俺の目の前に性器を近づけた。太くて大きい形。それは、俺よりも立派だった。それを目の前に体が熱くなった。これが今から自分の口の中に入ると思うとゾクゾクした。こんなものを口に咥えられるのか、それさえも未知の領域だった。俺は女は抱くが、男に抱かれるとは夢にも思わなかった。それが突然、自分の身にふりかかった時。俺の中の全てが軋み始めた。


「さあ、貴方のその口でイカせて下さい」


「っ……!」


「葛城さん、いいんですか?」


 いまだにあいつの太くて大きい性器を口に咥えずに躊躇っていると、そう言って脅してきた。命令に似た支配に俺はあいつに服従するしかなかった。だが、それをすることは自分にとって勇気がいることだった。

 あいつの性器を口に入れようと、大きく口を開くと僅かに震えた。それをあいつは笑いながら見ていた。その視線に自分の体を熱くさせながら性器を恐る恐る口に咥えた――。

「ンッ……っぅ……」

 口の中に入れた瞬間、数秒は我慢できた。だが、体はそれを拒絶した。精神的に辛くて堪らなくなると、あいつの性器を咥えている途中で、口から離して噎せた。

「うっ……! げほっげほっ……!」

 したは良いが苦しくて息ができない。それどころかまともに出来るような状態じゃなかった。ただ、俺の精神はこの不条理な現実に限界を感じていた。辛くて噎せると、阿川は上から見下ろして呟いた。 

「――ああ、やっぱり駄目か。ノンケな男にこんな事を強要しても初めから上手くいきませんねぇ。どうしたらいいでしょうか?」

 阿川は一人そう呟くと、ブツブツと独り言を呟いた。

「葛城さん、駄目じゃないですか? ちゃんと咥えて下さい。ほら、こうやってちゃんとですよ」


「っ……! ぅぐっ……! ンン……!」


 俺はあいつに再び強要されると、体を震わせながら口に入れた。だが、やはり数秒で噎せてしまう。その繰り返しだった。辛くて堪らなくて涙した。するとあいつが俺の頭をいきなり両手で掴んで性器を喉の奥まで突っ込んできたのだった。その瞬間、今まで以上の辛さがふりかかった。



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