そこからはじまる恋!

成瀬瑛理

カフカ―化身―3

 「――こんなのはどうでしょうか。貴方の知り合いや会社の同僚に、このふしだらで厭らしい画像を全員に送信してばらしてもいいですか?」

「なっ……!?」

 その言葉に全身の血の気が退いた。

「一斉送信したらどうなるでしょうか? きっと会社にはもういられなくなりますね。それだけじゃ、ありませんよ。この画像をFacebookに投稿して、世界中の人に貴方の淫乱な姿を見てもらうのも楽しいかも知れませんね?」

「クッ……!!」

「どうでしょうか葛城さん。素敵なアイデアだと思いませんか?」

 あいつはそう言って笑って話した。まるで悪魔の様な男だ。あいつは卑怯なやり方で、俺の事を脅してきたのだった――。

「や、やめっ……! た、頼む……! 阿川それだけは、それだけはやめてくれ……!」

 阿川の脅しは俺の立場を危うくさせるものだった。本人は只イタズラに言ってるだけだが、俺にとっては一大事だった。

 あんな姿を他人にみられたら、それこそ終わりだ。それこそ生きて行けない。あいつの卑怯なやり方に腹が立ちながらも、俺はそれを受け入れざるを得ない状況に追いつめられた。

「じゃあ、やってくれますね――?」

「っっ……! だっ、誰が……!」

「じゃあ、この画像をばらすとしましょうか?」

 あいつはそう言って携帯を操作すると、今にもボタンを押しそうな気配を漂わせた。

「良いんですね?」

「くっ……!」

 あいつはそう言ってジリジリと精神的に追い詰めてきた。阿川の目は冗談ではなかった。こいつなら十分にやりかねない。俺を手に入れる為なら、何でもするような男だ。俺は極限の精神状態の中でそのことを悟ったのだった。いくら拒否しても状況は変わることもなく、俺は次第に追い詰めらていった。阿川がボタンを押しそうな気配を漂わすと、俺はそこでついに折れた。

「まっ、待て……! 待て阿川……! わ、わかった……! す、する……! してやる……! お前の望みどおりしてやるから、頼むからそれだけはやめてくれっ……!!」

 俺はついに気持ちが折れると、あいつの脅しに屈した。それは言葉では言い表せないくらいの惨めで悔しい思いだった。

 屈辱的だ……!

 この俺が阿川の言いなりになるなんて……!

 それも好き勝手……!


 くそっ……!


 俺はあいつの脅しに屈すると、自分の唇を噛んで悔しい表情を浮かべた。阿川は俺が言いなりになると、にこやかに笑ってきた。こいつは危ない。何をするかわからない男だ。自分の本能はあいつを前で、そう危険感を感じたのだった――。



「そこからはじまる恋!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く