そこからはじまる恋!

成瀬瑛理

愛と狂気の狭間5

「――っ! ただ見つめるだけでもいいじゃないですか、別に貴方に迷惑をかけていないんですからいいですよね……!?」

「なっ……!?」

「それとも俺の気持ちは貴方にとって迷惑ですか!?」


「うっ……!」


 あいつは急に声をあげて怒鳴ると、ベルトをさらに上に上げた。その度に両手は上にキツく縛り上げられた。


「っ……! あ、阿川……! お前まさか俺のストーカーだったのか……!?」

 あいつのとんでもない本性を知った俺はそこで愕然となって、額から冷や汗を流して、息を呑み込んだ。

「ストーカー? 違いますよ、俺は純粋に貴方が好きなだけです。そう純粋過ぎるくらい貴方をね――。そして、俺は貴方が車内で寝た時にチャンスだと思った。貴方に接近するチャンスはここだと思い、すぐに行動に出ました。それが今です!」

「な、何だとお前……!?」

「終点の駅までついて行って寝ている貴方をこの駅に降ろした。そして、後は誰もいなくなるのを待って、貴方が起きるのを待った。そう全ては最初から仕組まれていたんです。こうやって2人きりになれたのは、最初から偶然なんかじゃありませんよ」

「っ……阿川、何故だ!? 何故お前はそこまで俺を…――!?」

「そんなの決まっているじゃないですか貴方が。好きだからです。好きって理由があれば、例えそれが狂気でも正当化できます。俺は貴方を誰にも渡したくありません。こうやって貴方を愛したいだけです。だから俺の気持ちを受け入れて下さい――!」

「バカなことを言うな……! お前は俺に何をしているのか、本当にわかっているのか……!?」

「ええ、そんなの言われなくてもわかってますよ――。セックスです。だからこうやって葛城さんとセックスを今、楽しんでるじゃないですか?」 


「おまえっ……!!」


 阿川は平然とした顔でそう言うと、俺は頭の中が急にカッとなった。

「ふっ、ふざけるなっ!! 人を無理やり拘束して、何がセックスだ! こんなのはただの強姦だ! お前ひとを強姦するつもりか!?」

 カッとなったままそう言い返すと、あいつは突然、俺の口を手で塞いできた。


「ンンッ……!」


「ふっ……人を強姦呼ばわりですか。じゃあ、お望み通りにそうしてあげましょうか? 無理やり貴方をこのまま強姦して、ものにするのも悪くありませんね――」


「っ……!?」


 あいつは狂気を秘めた瞳でそう話すと、いきなり口の中にハンカチを入れてきた。その瞬間、俺はゾクッとするような身の危険を感じたのだった――。




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