水魔法しか使えませんっ!〜自称ポンコツ魔法使いの、絶対に注目されない生活〜
勇者(仮)
とりあえずあの黒いヤツの事は勇者(仮)と呼ぶとしよう。
アラクネは猛然と勇者(仮)に突っ込んで行った。
蜘蛛部分は非常にでかいし、スピードも非常に速い。
あれが全速力で突っ込んでくるのはかなりの迫力があるはずなのだが、勇者(仮)の顔に焦りや緊張の色は無い。
さながらトラックが突っ込んでくるぐらいの感覚だと思うんだけどな。
俺が死んでから数年の内に、高校生も進化したのか?
いや、そもそも俺のいた日本から来て無い可能性もあるのか?
あっという間に彼我の距離は埋まり、アラクネから脚が突き出される。
脚は砲弾の如く唸りををあげながら勇者(仮)に襲いかかるが、今のところ地面に穴を開ける事しか出来ていない。
避けている
俺だって至近距離で腕も使わずに避け続けるなんて出来やしない。
それどころか、勇者(仮)は姿勢すら崩していない。
アラクネが脚を振りかぶる所で半歩動き、または体をわずかに捻るだけで、あの高速で迫る脚を避け続けている。
自分の全力の攻撃が全く成果を挙げないことに業を煮やしたか、胴体部分の口を開けた。
前方広範囲に散布する毒霧だ。
俺は水の膜で防御したけど、こいつはどうする?
勇者(仮)はそれを待ってましたと言わんばかりに一歩踏み込み、蜘蛛の顎に真下から拳を叩きつけた。
蜘蛛が口を閉じられた直後、毒霧がアラクネの口内で爆発。蜘蛛の体が一瞬浮かび上がるような衝撃音がこちらまで響いてきた。
「ゴボッ、ゴホッ、、、キサマ、ウロチョロトッ!!」
アラクネの腕に黒い魔力が貯まっていく、
「“ダークニードル!!”」
詠唱が完了すると、の魔力の塊は魔方陣を描きながらアラクネの体の周りを高速で回り始め、漆黒の三角錐が連続で放たれた。
全方位に放たれる闇属性の針(というより杭)だ。針は不規則に放たれるので、よく見て打ち落としていかなくてはならない。
と思ったら、なにを思ったか勇者(仮)はアラクネの真横にしゃがみ込んだ。
アラクネの方を向いたまま、魔法の回避に意識を向けている感じはない。
余程防御力に自信でもあるのか?
、、、当たらない。
何故か勇者に魔法が当たっていない。今も勇者の顔の横数センチの場所を通り過ぎるが、勇者には全然当たらない。
いや、この魔法はそんな生やさしいものではないはずなんだけども、、、
打ち落としては次の弾が、みたいな感じで全く休む暇がなかったはずなんだけどな。
これを使われた後は、お互いに体力切れと魔力切れでへとへとになってたと思うんだけど。
ちなみに、俺の所にも何本も飛んできて、実際に体に刺さっているが、とりあえず内部だけ回復させたまま、死んだふり。
この勇者、明らかに異常だ。
最初の攻防から今に至るまで、まるで最初から知っていたような立ち回り。
うかつな行動はとれない。
勇者はゆらりと立ち上がると、集中の切れたアラクネの腹の下に潜り込んだ。
「ハァ、ハァ」
「はい、おつかれさん。“ホーリーウェポン”、“貫手”」
アラクネの腹が、いとも簡単に貫かれた。
アラクネは猛然と勇者(仮)に突っ込んで行った。
蜘蛛部分は非常にでかいし、スピードも非常に速い。
あれが全速力で突っ込んでくるのはかなりの迫力があるはずなのだが、勇者(仮)の顔に焦りや緊張の色は無い。
さながらトラックが突っ込んでくるぐらいの感覚だと思うんだけどな。
俺が死んでから数年の内に、高校生も進化したのか?
いや、そもそも俺のいた日本から来て無い可能性もあるのか?
あっという間に彼我の距離は埋まり、アラクネから脚が突き出される。
脚は砲弾の如く唸りををあげながら勇者(仮)に襲いかかるが、今のところ地面に穴を開ける事しか出来ていない。
避けている
俺だって至近距離で腕も使わずに避け続けるなんて出来やしない。
それどころか、勇者(仮)は姿勢すら崩していない。
アラクネが脚を振りかぶる所で半歩動き、または体をわずかに捻るだけで、あの高速で迫る脚を避け続けている。
自分の全力の攻撃が全く成果を挙げないことに業を煮やしたか、胴体部分の口を開けた。
前方広範囲に散布する毒霧だ。
俺は水の膜で防御したけど、こいつはどうする?
勇者(仮)はそれを待ってましたと言わんばかりに一歩踏み込み、蜘蛛の顎に真下から拳を叩きつけた。
蜘蛛が口を閉じられた直後、毒霧がアラクネの口内で爆発。蜘蛛の体が一瞬浮かび上がるような衝撃音がこちらまで響いてきた。
「ゴボッ、ゴホッ、、、キサマ、ウロチョロトッ!!」
アラクネの腕に黒い魔力が貯まっていく、
「“ダークニードル!!”」
詠唱が完了すると、の魔力の塊は魔方陣を描きながらアラクネの体の周りを高速で回り始め、漆黒の三角錐が連続で放たれた。
全方位に放たれる闇属性の針(というより杭)だ。針は不規則に放たれるので、よく見て打ち落としていかなくてはならない。
と思ったら、なにを思ったか勇者(仮)はアラクネの真横にしゃがみ込んだ。
アラクネの方を向いたまま、魔法の回避に意識を向けている感じはない。
余程防御力に自信でもあるのか?
、、、当たらない。
何故か勇者に魔法が当たっていない。今も勇者の顔の横数センチの場所を通り過ぎるが、勇者には全然当たらない。
いや、この魔法はそんな生やさしいものではないはずなんだけども、、、
打ち落としては次の弾が、みたいな感じで全く休む暇がなかったはずなんだけどな。
これを使われた後は、お互いに体力切れと魔力切れでへとへとになってたと思うんだけど。
ちなみに、俺の所にも何本も飛んできて、実際に体に刺さっているが、とりあえず内部だけ回復させたまま、死んだふり。
この勇者、明らかに異常だ。
最初の攻防から今に至るまで、まるで最初から知っていたような立ち回り。
うかつな行動はとれない。
勇者はゆらりと立ち上がると、集中の切れたアラクネの腹の下に潜り込んだ。
「ハァ、ハァ」
「はい、おつかれさん。“ホーリーウェポン”、“貫手”」
アラクネの腹が、いとも簡単に貫かれた。
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