水魔法しか使えませんっ!〜自称ポンコツ魔法使いの、絶対に注目されない生活〜

地蔵さん

時は流れ


正直3つ覚えるだけでお腹一杯。
これさえできりゃ後は魔法の応用です、で誤魔化せるんじゃないかな?


だから他の属性も覚えるとかもう無理、やる気が出ない。
講師役のアンナには悪いけど、これは我慢してもらおう。




と言うわけで何だかんだで俺ももう9才。
やっとこの世界の事も分かってきた。


ここはヴァハト王国の北方ロコー領。
その領主の三男坊がこの俺、イオリ・ロコー。
母譲りの金髪碧眼に、9才らしいちんちくりんな体型。


父のクリストフ・ロコーはこの辺境を任されている貴族で、いつも忙しく領内を飛び回っている。
というのも、ロコー領の北側に魔族領が隣接しており、向こうからこちらの領へ魔族が入りこまないよう目を光らせているというわけ。


後は母親のイレーヌ、二人の兄、一人の姉の家族構成になっていて、使用人も結構いるけど全員は覚えてない。


俺にいつも世話を焼いてくれるのは侍女のアンナ。
魔法もそれなりに使うことができ、現在では俺の魔法の講師も兼任と言った感じになっている。




父母も兄弟達も、俺があんまり魔法の適性が無いって分かったらあんまり声をかけてくれなくなった。
これは非常に好都合。
本来なら、10才になった所で貴族の子女は王都の学園に通わなければならないのだけれども、これだけ期待されてないなら一人くらい家からいなくなってしまっても構うまい。
長男に産まれなくて助かった。






後は、どうやって上手いこと姿を消すかだなぁ。
追い出してもらうか、行方不明か、死んだ事にするか。
あんまり後腐れ無いのが良いんだけども、どうしようかな、、、。

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