先生の全部、俺で埋めてあげる。
*23
初めて会った時から先生が好きだった。
誰にも興味を持てなかった俺が、初めて興味を持った。
最初はただ、同じ空間にいれるだけで。
それだけでよかった。
でも、先生の優しさに触れて。
温かさを感じて。
いつの間にか俺は貪欲になっていた。
先生にもっと近づきたい。
先生のこともっと知りたい。
先生もひょっとしたら俺のこと…
なんてありえない妄想までして。
俺は先生のことが、どうしようもないくらい好きなんだ。
俺は先生への抑えきれない感情を、目の前にいる海香にぶつけるように、唇を重ねた。
せんせ…。
俺は先生をギュッと抱きしめてみたかった。
先生とキスがしてみたかった。
どれも叶わないって分かってるけど。
それでも俺は、心の奥底で望んでしまう。
花火が上がり始めて、何も考えずに夢中でキスをして。
「もう花火始まったよ?」
海香の言葉で初めて花火が始まっていたことに気づいた。
「花火なんて、どーでもいいよ」
そう言ってまた唇を重ねた。
先生にぶつけられなかった感情を重ねるように。
俺は無我夢中だった。
*
目が覚めると自分の部屋にいて。
窓から差し込む光を見て、日をまたいでいることに気づく。
それなのにやっぱり俺の気持ちはあの日に置き去りのまま。
「何やってんだろう、俺」
自分の声が広い部屋に虚しく響いた。
罪悪感と後悔が一気に込み上げてくる。
先生には彼氏がいて。
こんなことしたって虚しいだけなのに。
分かっているのに。
「先生に会いたい…」
先生に彼氏がいると知ってからも、そう思ってしまう自分が情けなくて、でもどうしようもなかった。
それから俺は、図書館に行かなくなった。
先生に会うと、自分がどうなるのか分からなくて怖かったから。
会ってはいけない気がしたんだ。
それでも心に空いた穴は大きくて、その穴を埋めるかのように毎日誰かと朝から晩まで遊んだ。
俺はみんなと一緒にいるはずなのに、ずっと一人でいるみたいな感覚で。
先生が空けた穴は全然埋まらない。
むしろどんどん大きくなっている。
あれから海香から何度か連絡があったけど、一度も会っていない。
どうしても先生を重ねてしまうから。
今は先生のことを考えたくなかった。
誰にも興味を持てなかった俺が、初めて興味を持った。
最初はただ、同じ空間にいれるだけで。
それだけでよかった。
でも、先生の優しさに触れて。
温かさを感じて。
いつの間にか俺は貪欲になっていた。
先生にもっと近づきたい。
先生のこともっと知りたい。
先生もひょっとしたら俺のこと…
なんてありえない妄想までして。
俺は先生のことが、どうしようもないくらい好きなんだ。
俺は先生への抑えきれない感情を、目の前にいる海香にぶつけるように、唇を重ねた。
せんせ…。
俺は先生をギュッと抱きしめてみたかった。
先生とキスがしてみたかった。
どれも叶わないって分かってるけど。
それでも俺は、心の奥底で望んでしまう。
花火が上がり始めて、何も考えずに夢中でキスをして。
「もう花火始まったよ?」
海香の言葉で初めて花火が始まっていたことに気づいた。
「花火なんて、どーでもいいよ」
そう言ってまた唇を重ねた。
先生にぶつけられなかった感情を重ねるように。
俺は無我夢中だった。
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目が覚めると自分の部屋にいて。
窓から差し込む光を見て、日をまたいでいることに気づく。
それなのにやっぱり俺の気持ちはあの日に置き去りのまま。
「何やってんだろう、俺」
自分の声が広い部屋に虚しく響いた。
罪悪感と後悔が一気に込み上げてくる。
先生には彼氏がいて。
こんなことしたって虚しいだけなのに。
分かっているのに。
「先生に会いたい…」
先生に彼氏がいると知ってからも、そう思ってしまう自分が情けなくて、でもどうしようもなかった。
それから俺は、図書館に行かなくなった。
先生に会うと、自分がどうなるのか分からなくて怖かったから。
会ってはいけない気がしたんだ。
それでも心に空いた穴は大きくて、その穴を埋めるかのように毎日誰かと朝から晩まで遊んだ。
俺はみんなと一緒にいるはずなのに、ずっと一人でいるみたいな感覚で。
先生が空けた穴は全然埋まらない。
むしろどんどん大きくなっている。
あれから海香から何度か連絡があったけど、一度も会っていない。
どうしても先生を重ねてしまうから。
今は先生のことを考えたくなかった。
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