秘密の誓約による脅迫恋愛〜死神くんからの愛に囚われました〜

鬼桜

一話

【設定】
・安倍 結桜(あべ ゆお)   (主人公)

・長い髪を一つ結びにしている。
・普段はパーカーを着る。
・就職先は残業だらけの企業。
・仕事の時は、スーツを着る。


【1話】


はぁー っと
盛大なため息をついて、夕日を背に帰路に足を運ぶ。

今は8月の夕方。夏のむし暑さを、少しでも和らげようと、スーツの袖をまくったのだが、逆に夕日の光が直接肌に当たる。

そのため、結局暑いのでイライラしている。

見慣れたコンクリートの道路ですら、嫌悪感を感じさせた。

大学を出たから、一人暮らしをして

自分で料理をしたり、飲みに行ったりして、ドキドキでワクワクの生活が始まると
思っていた……。

だが、ただの地獄の生活が始まるだけだった。

料理は面倒くさいし、就職は面接ですぐ落ちるし。

5月にやっとの思いで入った今の会社も
残業地獄だし。

途中、小さな小石をやけくそになって、
蹴りながら帰る。

着いた我が家も小さいものだ。

ーー家というか、アパートだから部屋だが。


二階建てはアパートは色が白のため、汚れが目立ち、古くささがある。

私が住んでいるのは、このボロアパートだ。

最初見た時は、ここに本当に住めるのかという疑問すら感じていたほどだ。

ーーゴキブリなどは出ていないのでまだマシだと思うことにしている。

(今日は ご飯食べたし、もう寝よ!)

私はスーツのままベッドに飛び込んだ。
汗をかいた体に布団がほど良く冷たくて気持ちがいい。

部屋の中は狭くて薄暗い。

唯一、外が見えるのは、少し大きめの窓だけだった。

(母さん達…元気かな?今度電話しようかな…)

私は、仕事で疲れていたせいもあってか
深い眠りについた。

コメント

  • 葵羽

    とあるサイトから来ました!とても面白いですー!!応援しております!頑張ってください(*^^*)

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