彼女たちを守るために俺は死ぬことにした

アサミカナエ

10/27(火) 日野 苺③

 
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 お昼はいちごも誘ったけど断られたので、俺と野中で屋上に行った。
 久しぶりに二人だけでの昼飯。
 いつも通り、普通に話をしていたけど野中がふと「日野がいないだけで、静かな気がする」と、こぼした。
 半年前はこれが当たり前だったのに、野中ですら今では寂しいと思うんだから。習慣って不思議だよなぁ。


「そういえば、なっちゃんって芦屋と仲いいの?」
「ん? な、なんで?」


 野中が七瀬の名前を口にするのが珍しくて、つい、どもってしまった。


「黙っておこうと思ったんだけど、ファンスタのパレードで抜けたとき、芦屋になっちゃんの好きな人のこと聞かれたんだけど?」
「ぶっ!?」


 ままま、マジで……?


「ななな、そんな話してたの?」
「おー。あ、俺もついでに、未成年の主張で音和のこと好きだと言ったのも本気か聞かれたけど」


 いや、そっちがメインだわ。
 俺がついでだよ、理解。
 給水塔の土台のアスファルトに体を預ける。


「仲良いっていうか普通だよ。……お前七瀬に気があるの?」
「普通」
「ですよね」


 即答か。うへえ、ごめん七瀬。


「で、俺の好きな人って、なんて答えたの? 変なこと言ってないよね?」
「うふん、気になります?」
「いや、そういうのいいから!」
「知らんから、知らんとしか答えてないわ」
「あー、そうなんだ」
「気になる人がいるっぽいよ♡とは言ったけど」
「おい!!」


 あ〜〜〜〜〜〜やだやだ、絶対何か言われんじゃん!
 で、でも、まだ言われてない。ってことは、何か言うタイミングはかってるか、やっぱりついでだったから興味ないってことで……。

 うわ、どっちにしてもヤダ!

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