彼女たちを守るために俺は死ぬことにした
10/27(火) 日野 苺①
「じゃあお弁当、音和ちゃんに届けてくるね」
「本当ごめんな、ありがとう」
「ううん!」
学校に着いたら知実くんからお弁当を受け取って、3階へと向かった。
音和ちゃんもう来てるかな……と教室をのぞいてみると、仲の悪かった女の子たちの席で、頭をなでられているところだった。
音和ちゃんって、すごいなぁ……。
あっけにとられていると、女の子たちがこっちに気づいた。
なのでにっこり微笑みながら小さく手を振る。
「あ、日野さん……」
気づいた音和ちゃんが入り口まで来てくれたから、持っていたお弁当箱を差し出した。やっぱり全然元気ない。
「今日はお昼どうする? 虎蛇なら女子しかいないよ?」
「ん……。クラスで食べよかな」
「そっか。もし来たかったらいつでもおいでね」
帰ろうとすると、「待って」と音和ちゃんに呼び止められた。
「……知ちゃん、どーかな?」
泣きそうになりながら、探るように瞳を覗き込まれる。
「うん、やっぱりちょっと元気はないかな。可愛い誰かさんのせいでっ」
不安げな音和ちゃんのほっぺをぷにぷにとつつくと、かわいらしく身をよじらせた。
「大丈夫だよ、待ってるから。心の準備ができたら、また一緒に登校しようね?」
「……うん。ありがと。でももうちょっとだけ時間ほしい。……また可愛がってくれるかな」
その言い方が可愛くて、つい、笑ってしまう。
「当たり前だよ! あたし、音和ちゃんにちょっと嫉妬してるんだよ? 音和ちゃんはきっと、ずっと、知実くんにとって代わりのいない唯一無二の存在なんだろうなって」
「うん……」
「うちも弟妹いるでしょ。血がつながってる家族の絆って強いなって思うんだけど、音和ちゃんは血がつながっていなくても、そういう特別な人なんじゃないかなって感じるよ」
よしよしと頭を撫でて、背中を押した。
「はい、じゃあまた。お友だちとも仲良くするんだよー!」
「ありがと……」
手を振って送り、奥で怪訝そうにしていた女の子たちにもにっこりと微笑んで、今度こそ教室をあとにした。
教室に戻って、知実くんに音和ちゃんの様子を話す。
すると眉をしかめて泣きそうになったあと、速攻メッセージを送っていたからなんて送ったのか聞くと
「超かわいがります」
とだけ書かれた画面を見せてくれて笑ってしまった。
最高だよ、知実くん!
「本当ごめんな、ありがとう」
「ううん!」
学校に着いたら知実くんからお弁当を受け取って、3階へと向かった。
音和ちゃんもう来てるかな……と教室をのぞいてみると、仲の悪かった女の子たちの席で、頭をなでられているところだった。
音和ちゃんって、すごいなぁ……。
あっけにとられていると、女の子たちがこっちに気づいた。
なのでにっこり微笑みながら小さく手を振る。
「あ、日野さん……」
気づいた音和ちゃんが入り口まで来てくれたから、持っていたお弁当箱を差し出した。やっぱり全然元気ない。
「今日はお昼どうする? 虎蛇なら女子しかいないよ?」
「ん……。クラスで食べよかな」
「そっか。もし来たかったらいつでもおいでね」
帰ろうとすると、「待って」と音和ちゃんに呼び止められた。
「……知ちゃん、どーかな?」
泣きそうになりながら、探るように瞳を覗き込まれる。
「うん、やっぱりちょっと元気はないかな。可愛い誰かさんのせいでっ」
不安げな音和ちゃんのほっぺをぷにぷにとつつくと、かわいらしく身をよじらせた。
「大丈夫だよ、待ってるから。心の準備ができたら、また一緒に登校しようね?」
「……うん。ありがと。でももうちょっとだけ時間ほしい。……また可愛がってくれるかな」
その言い方が可愛くて、つい、笑ってしまう。
「当たり前だよ! あたし、音和ちゃんにちょっと嫉妬してるんだよ? 音和ちゃんはきっと、ずっと、知実くんにとって代わりのいない唯一無二の存在なんだろうなって」
「うん……」
「うちも弟妹いるでしょ。血がつながってる家族の絆って強いなって思うんだけど、音和ちゃんは血がつながっていなくても、そういう特別な人なんじゃないかなって感じるよ」
よしよしと頭を撫でて、背中を押した。
「はい、じゃあまた。お友だちとも仲良くするんだよー!」
「ありがと……」
手を振って送り、奥で怪訝そうにしていた女の子たちにもにっこりと微笑んで、今度こそ教室をあとにした。
教室に戻って、知実くんに音和ちゃんの様子を話す。
すると眉をしかめて泣きそうになったあと、速攻メッセージを送っていたからなんて送ったのか聞くと
「超かわいがります」
とだけ書かれた画面を見せてくれて笑ってしまった。
最高だよ、知実くん!
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