彼女たちを守るために俺は死ぬことにした

アサミカナエ

9/25(金) 部田凛々子②

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「こんにちは。問題を起こし祭実行委員会のみなさ〜ん!」


 俺たちから言えば、問題を持ち込み会長なんだけどな、あんた。
 高笑いしながら、ちびっこツインテールが虎蛇に入って来る。今日は隣に書記の鈴見だけついていた。


「あっ♡ チュン子ちゃん♡♡ 次期生徒会でお待ちしてるわ♡ あたしが推すね♡」

「間に合ってます」

「見てわからない? 忙しいんだけど」


 重めのキャラの来室で、凛々姉がだいぶ切れそうだ。


「聞いたわよ。ゴンドラ、使用禁止にしたんですって?」


 虎蛇の全員に緊張が走った。


「どうしてあんたがそれを」


 凛々姉もさすがに作業の手を止めて、生徒会長の吉崎を呆れたように見やる。


「生徒会は諜報が利いていてね。先ほど職員室に行ったら、先生が詰められて困っていたから助言してきてあげたわ」

「勝手なことを……。口を出さないようにと約束したはずだけど」

「ええ。でもあなた方を見ていると、どうしても無能だと思わざるを得なくて」


 あ、凛々姉のこめかみに血管浮いてる。


「いいじゃなーい、ゴンドラ? 華やかになって! 使わないとサビつく一方よ。試運転だけでもさせてあげて、決めればいいでしょ?」

「あなた、一体なにを」

「何もしてないわ。ただ助言をしただけ。許可印を押したのは教師よ」

「……え?」


 俺は無言で立ち上がって吉崎の肩を掴んだ。そのままくるっと180度回して、入り口に立っていた鈴見に押し付ける。


「無能だって? あんたらが引っ掻き回してるから、問題がややこしくなるんだろ!」

「あらぁ♡」

「クラスの文化祭実行委員決めに不穏を持ち込んだだけじゃなく、虎蛇に忍びこんだり、凛々姉の邪魔をしたり……! 絶対にお前らの悪事を白日の下に引っ張り出してやる」

「ええ、都合が悪ければ全てあたしたちのせいにするってこと?」

「チュン太ありがとう、もういいよ」


 凛々姉が制する。


「……本当に時間がなくて、構っていられないの。帰って」

「……はあ。失礼つかまつる」


 吉崎の代わりに鈴見はそう言うと、ドアを閉めてすんなりと帰って行った。


「ふん、侵入の話を出したら慌てて帰りやがって。あいつら……」


 虎蛇がざわつく。振り返ると、凛々姉が机に突っ伏して倒れていた。

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