彼女たちを守るために俺は死ぬことにした
8/13(木) 部田凛々子①
「ねえ、チュン太。あたしはなぜ誕生日にあんたと二人で、公園なんかにいるんだろうか」
「それは凛々姉の努力が足りな……って睨まないでください」
「あんたがおもしろくないこと言うからよ」
「はいはい、すんません……」
キャップをかぶり、Tシャツ短パンの小学生男子みたいな格好をした凛々姉は、ベンチにどかっともたれかかり、大空を見上げて大きくため息をついた。
俺たちが木陰にある1つだけのベンチを占領し、目の前の滑り台を眺めながらケーキを食べていた間、誰も公園に訪れることはなかった。それはお盆だからか猛暑だからか。……単に俺たちが暇人すぎるから、という結論には至りたくない。
「とりあえず、ケーキありがと。おいしかったよ。おばさまにもお礼よろしく」
今日は凛々姉の誕生日。以前学校で「誕生日よろ」って釘刺されていたから、外出許可は2日間取っていた。
もし今日のことを忘れていたりしたら、世にも恐ろしいことになっていただろうな。
「おう、伝えておくよ。じゃ俺はこれで」
さて、誕生日も祝ったし歌も歌ったし。これでもう約束は果たせたな! 病院に戻らないと。
「待ちなさい」
立ち上がった俺の手ががしっとつかまれる。
「チュン太」
振り返ると、凛々姉はニヤリと笑った。
「な、んでしょう……」
「どこ行く気?」
「いや、帰る……」
「ヒマ、よね?」
な、なぜだ。足が動かない……だと?!
「まだ午前中だし、ちょっと出かけるわよ」
「凛々姉も誕生日で忙しいと思うし、俺、そろそろおいとましよっかなーって……」
「ホラさっさと行くわよ」
「って強制ーー!!? 待て、待て待て待ってー!」
「ああ?」
「その顔怖いやめてー!」
この人、友だちいないのかよ!
「それは凛々姉の努力が足りな……って睨まないでください」
「あんたがおもしろくないこと言うからよ」
「はいはい、すんません……」
キャップをかぶり、Tシャツ短パンの小学生男子みたいな格好をした凛々姉は、ベンチにどかっともたれかかり、大空を見上げて大きくため息をついた。
俺たちが木陰にある1つだけのベンチを占領し、目の前の滑り台を眺めながらケーキを食べていた間、誰も公園に訪れることはなかった。それはお盆だからか猛暑だからか。……単に俺たちが暇人すぎるから、という結論には至りたくない。
「とりあえず、ケーキありがと。おいしかったよ。おばさまにもお礼よろしく」
今日は凛々姉の誕生日。以前学校で「誕生日よろ」って釘刺されていたから、外出許可は2日間取っていた。
もし今日のことを忘れていたりしたら、世にも恐ろしいことになっていただろうな。
「おう、伝えておくよ。じゃ俺はこれで」
さて、誕生日も祝ったし歌も歌ったし。これでもう約束は果たせたな! 病院に戻らないと。
「待ちなさい」
立ち上がった俺の手ががしっとつかまれる。
「チュン太」
振り返ると、凛々姉はニヤリと笑った。
「な、んでしょう……」
「どこ行く気?」
「いや、帰る……」
「ヒマ、よね?」
な、なぜだ。足が動かない……だと?!
「まだ午前中だし、ちょっと出かけるわよ」
「凛々姉も誕生日で忙しいと思うし、俺、そろそろおいとましよっかなーって……」
「ホラさっさと行くわよ」
「って強制ーー!!? 待て、待て待て待ってー!」
「ああ?」
「その顔怖いやめてー!」
この人、友だちいないのかよ!
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